経済指標ってどこまで見ますか?

FINAL_Report_November_11_212月、師走相場ですね。そして市場は月例重要指標週間。
ところで今更な話ですが、経済指標ってどこまで見てますか?

例えば一昨日発表の「ADP全米雇用報告」は前回+13万人、予想は+13万人、結果は+20.6万人という発表がなされましたが、これはあくまでヘッドラインだけです。

左記の画像が「ADP全米雇用報告(November 2011 ADP National Employment Report)」の全文で、+20.6万人というのは「DERIVED FROM ADP PAYROLL DATA」中の「Employees on nonfarm private payrolls by selected industry sector and size」の先頭行末尾の数字だけです。

11月ADP全米雇用報告全文(PDF)

まぁ、雇用統計であればその増減が解れば良い話かも知れませんが、ISM景況指数ともなると複数の構成項目から総合的な指数(PMI)を算出し、その数字だけが出てきます。

昨晩発表のISM製造業景況指数では前回50.8に対して予想は51.8、結果は52.7と言う数字が発表されましたが、これもPMIのみの話で、実際には「新規受注(New Orders),製造(Production),雇用(Employment),仕入れ(Supplier Deliveries),棚卸資産(Inventories),仕掛り資産(Customers' Inventories),価格(Prices),受注残(Backlog of Orders),輸出(Exports),輸入(Imports)」と、10項目にも及ぶ内部構成項目があり、昨日の数字ではPMIは確かに50.8→52.7に改善されていますが、雇用は53.5→51.8に鈍化しています。
しかしISMの雇用の場合は50を上回っているかどうかが好悪判断基準なので、51.8は十分に堅調であると判断(Growingただしその進捗はSlower)され、全体としては「好感される」内容だったと言えることになります。

11月ISM製造業景況指数全文

重要経済指標で発表直後はほとんど動かなかったのに数分してから大きく動いたり、激しく乱高下する事が良くありますが、これはこの構成項目の何が重要か立場立場で違うため、それぞれ勝手な反応からタイムラグや乱高下といった形になって現れると思っても良いかと思います。

また、その時期により、見どころが雇用なのか新規受注なのかはたまたインフレ度合(価格)なのかでも反応は異なり、好成績なのに動かないとか変化無しなのに大きく動くなどという場合もこの構成項目の何かが重要視された結果だと言えますね。

たがが指標くらいでガタガタ騒ぐんじゃねぇよ!

ってのも一理ある話ですが、市場はヘッドラインで騒いでいるのではなく、構成項目から先行きを予想して、その都度仕切り直しや追撃をするわけですし、未知数部分が多い内容になると思えば事前に手控えます。
けして、「52.7だ」「+20.6万人だ」だけで動いているわけではありません。

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