先週の各主要相場は下記のような流れでした。
■米国株式市場 = 下落
■原油先物市場 = 下落
■NY金先物市場 = 階段状下落
■ドル円 = 下落(前半円高後半ドル安)
■ユーロドル = 木曜日上昇(ドル安)
■ユーロ円 = 前半下落後半上昇
W杯開催期間や日本の参院選が理由なのか、半期末決算前後が理由なのか、そういったスキや調整/再構築期間を狙っての「大暴れ」でした。
たしかにここ最近発表される米国指標は回復基調に水をさす内容ばかり、
ユーロ問題は潜在的な危機はあっても皆が持病を持病と承知したなら、今現在は発作が起きているわけでもなく現状特に問題はない。
リスクオン/オフの矛先を決めかねている、そんな状況と季節的要因とが相まってより幅広い想定や各種シナリオを持っていないと何とも対処のしようがない相場になりました。
例えば最終日のドル円がよい例で
おそらくは最初は実需筋主導で仲値公示にかけてドル円が上昇。
落差があればそれはそれで良いことなので抵抗されることなく、一般投資家は付和雷同闇雲的にドル円買い。
そしてファンド勢の仕掛けが始まり、不安要因をあおるために雇用統計直前に一斉下落。
そしてまた一般投資家は付和雷同的にポジション解消のため売りが殺到。
そして注目の雇用統計の内容は大方の予想だったネガティブサプライズでもサプライズでもなく、「パッとしない内容」に終わり、じり安継続。
5月頃までは転がる先が見えないユーロでしたが、6月以降は沈んだまま音沙汰無いドルがファンド勢等の撒き餌となったのかも知れません。
さて、来週以降の見通しですが、ドルは雇用統計の数字の通り「パッとしない」状態が継続するように思えます。
しかし、じり安・停滞継続は、更なる突っ込み売りや突然の反発を誘発しかねませんので、くれぐれもポジション管理にはお気をつけください。
■各為替の週足デマーク指標値
(Demark Range Projection / Demark Pivot Points)
ドル円
予想高値 88.61 (DRP) / 88.61 (DPP)
予想安値 86.08 (DRP) / 86.08 (DPP)
ユーロ円
予想高値 111.77 (DRP) / 111.77 (DPP)
予想安値 106.48 (DRP) / 109.24 (DPP)
ユーロドル
予想高値 1.2819 (DRP) / 1.2819 (DPP)
予想安値 1.2355 (DRP) / 1.2355 (DPP)
ポンド円
予想高値 134.30 (DRP) / 134.30 (DPP)
予想安値 130.30 (DRP) / 130.30 (DPP)
ポンドドル
予想高値 1.5393 (DRP) / 1.5393 (DPP)
予想安値 1.5035 (DRP) / 1.5035 (DPP)
※デマーク指標にはDemark Range Projection と
Demark Pivot Points の2種ありますので両方を提示しています。
なお、以下の資料内にはデマーク指標の他、ワイルダーピボット、
今週のフィボナッチレンジ等々の計算値も収録しています。
■資料ダウンロード(以下がひとつのファイルにとりまとめてあります。)
『先週(06/28~07/02)の為替動向』
→
2010_0702.pdf をダウンロード
◎先週の主要8相場チャート
◎先週限のドル円/ユーロドル日足6ヶ月分
◎先週の4本値と今週のPivot
◎週間為替リポート保存版PDF
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7月 11 2010
CTFC IMMポジション(07/09集計分)
「円」は、ロングが前週比
20.8%増で 62476枚、ショートは前週比
1.1%の微増で 24550枚、結果、売り越しは前週の -27427枚から -37926枚へと、更に買い越し増になりました。
為替レートの方もこれを反映してはおりますが、少々興味深い変動があります。ドル円においてIMMポジションの報告日である火曜日終値では前週88.54円→87.55円と、約1円の下落があり円ロング増を裏付けた数字ですが、公開日である金曜日では前週87.74円
→88.58円と逆に上昇しています。
どのくらいのレート時に建てられた玉かは定かではないとしても、IMMデータ集計時~週末までの間に、損切りを含むポジション決済/解消があったことが球数とレート変動から見て取れます。
※本ブログで採用しているIMMポジションのグラフは他所の物と違い、IMMポジションの集計日/発表日双方の終値を参考レートとして表示しています。
これにより、過去の時点における結果でしかなかった数値に経時変化要素を与え、指標数字のダマシに引っかからないことを狙っています。
とは言っても、この円ロングの買い越し枚数はこの半年間最大だった 3月2日の35000枚強を超え最大値に達しました。
この後、買い越し記録を更新するか、それともここで反転するかですが、先週中頃から取りざたし始められた米国企業の決算予想はかなりの好感を持って迎えられていることから、ロングショートが交錯し共に建玉数が増加するのではないでしょうか。
しかしこの場合、何かのきっかけでどちらかの方向に大きく動く懸念も増加することになりますので注視が必要ですね。
続いて「ユーロ」は、ロングが前週比
29.9増で 56316枚、ショートは前週比
-18.6%減で 95225枚、結果、売り越しは前週の 73670枚から
38909枚へとほぼ半減しています。
先週末に1.2500台への復帰を果たした後、今週に入り1.2600台へ復帰したように、市場はリスクオンに傾倒し始めユーロ売り構成が沈静化してきたと言うことでしょうか。
全体の傾向ですが、雇用統計を始めとする米国の各種指標が予想を裏切る低数字だったことから週初ではリスク回避傾向が目立ちましたが、週中頃からささやかれ始めた企業決算予想は交換される物が多く、市場はリスクオンへと傾きつつあるように思えます。
また、雇用統計を始めとする指標が作った沈滞ムードとWカップによる閑散化から必要以上に悲観が誇張されていたような雰囲気もあります。
先週中頃にダウは10000ドル台に復帰しましたが、この後米国企業の決算数値が明らかになってきて更なるダウ上昇を後押しするなら、市場は一気にリスクオンになる事になると思います。
しかし、決算数値もさえない物となってしまった場合は、懸念されている二番底もあり得る話であり、ここが景気の分岐点と言えるかも知れません。
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By najirane • IMMポジション • Tags: CFTC, IMMポジション, ガイトナー, 中国, 介入, 利上げ, 売り越し, 実需筋, 投機筋, 日銀, 米証券先物取引委員会, 買い越し