経済指標ってどこまで見ますか?その2

昨日、ADPとISMの事を書きましたが、今日はこの後1時間くらいで公表の雇用統計のことを。その前に、雇用統計のことを軽くさらっとおさらいすると、

雇用統計(Employee Situation Report/Job Report/Labor Report)は、米国労働省労働統計局が毎月12日を含む週での雇用状況を調査し3週間後の金曜日に発表する労働市場統計の最重要指標であると同時に、数多ある経済指標中で最も注目される指標となります。
12日が土日以外の場合は翌月第1金曜日、土日の場合は翌月第2金曜日の発表となります。

米国の中央銀行であるFRBは日銀のように金融の管理だけを行うのではなく、「物価の安定」と「雇用の最大化」と言う二大使命を課せられており、雇用は景気の遅行指標であるため、FRBの金融政策判断や各種施策が正しい方向に向かっているのか効果が無いのかの検証材料とも言えます。

調査項目は「非農業部門雇用者数(NFP=Non-farm Payroll)」「失業率」「民間部門雇用者数」「平均労働時間」からなり、NFPと失業率が注目の対象ですが平均労働時間は労働所得の拡大/減少が個人消費の拡大/減少に結びつきやすいため、単独で別個行われる個人所得や個人消費と同等の意義があります。また、民間部門雇用者数は政府事業での臨時雇用が増加した場合、民間雇用の実質的強弱を知るために補正項目として見逃せません。

調査方法は
・失業率=失業者÷労働力人口x100(%)から算出されサンプル数は約6万世帯の家庭を対象に直接の聞き取り調査を行います。
・非農業部門雇用者数(NFP)=自営業と農業を除く全米の事業所の給与台帳を基に集計します。サンプル数は全米約40万社に及び、対象従業員は4700万人と推定されるため、全米労働人口の約1/3を調査対象としていることになります。

NFPは15万人程度の増加が労働市場における適正な景気回復のベンチマークと言われてますが、季節要因や政府事業の一時雇用等での変動があり、場合によっては次回発表時に前月分やそれ以上に遡っての大きな修正を行う場合があります。
また、失業率と非農業部門雇用者数の調査対象が異なるため、両者の数字に整合性が伴わない場合もあります。加えて、失業者の定義が日本で言うハローワークでの求職カード保持者とされているため、景気が悪すぎて就職そのものを諦めたり、景気が回復して来て一時に求職者(失業者)が増加すると言った事もあります。

Image2http://www.bls.gov/news.release/empsit.nr0.htm
雇用統計は公表されますが、テキストベースのページなのでリロードすることで公表と同時に結果を知ることも可能です。NFP及び失業率は冒頭部分。修正は本分の最後付近に記載されます。

ところで、良く先行指標と言う呼び名で「ADP雇用報告」や「ISM景況指数の雇用指数」また、「12日を含む週の新規失業保険申請件数」が取り沙汰されますが、一昨日(10/30)公表のADP雇用統計では+13万人の予想に対し+20.6万人とスーパーサプライズとなりましたが、昨日(12/1)公表のISM製造業景況指数では構成項目である雇用状況が53.5→51.8と悪化しています。ISMでの雇用指数は50以上あれば順調と言うことになっておりますが、このダイバージェンスはちょっと気になりますね。また、今回の雇用統計ではNFPの予想中心値が12.7万人と言うことになっておりますが、ADPの数字もあり市場は更に上を織り込んでいる向きもありますので、未達であった場合の失望もまた大きな物になるのではないかと思います。予想を超える結果であっても、セルオンファクトで利益確定売りが出るやも知れず…と、どちらに転がっても上値は限定的、下値はドル円で言うなら介入警戒ラインの76円台後半付近。と言う見方が無難なような気もします。

※2011/12/03 22:10追記
画像を昨晩の発表後の物に差し替えました。
で、結果の方は…失業率改善でも上値は限定的って部分であってたようですね。

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