悪貨は良貨を駆逐する

老舗陶磁器メーカーウェッジウッドの破綻に驚いたのは私だけではないでしょうが
(参考:『ウェッジウッドは単に驚きの声』 =ココログニュース)
ウェッジウッドの弁によると「中国製品等の低価格商品に対抗しきれなかった」ことも
売上げ減少要因のひとつとしていますね。
「悪貨は良貨を駆逐する」というところかもしれません。

しかし昨今の世界不況を考えたとき、悪者はリーマンブラザースなのでしょうか?
私は掘り下げて掘り下げて考えて見たましが、その結果ある結論に達しました。
『価格破壊』なんて言葉を考え付いた奴が一番悪い。

価格レンジが変われば確かに購買意欲をそそるでしょう。
しかしそれは一時的なこと。
一巡してしまえば、さらに価格レンジを下げなければ、
新規購買も買い増しも期待できません。
しかしそれも一巡してしまったら、価格を下げるにも限界が見えたら、
価格レンジがさらに低いところから仕入れるか、品質を落とすしかありません。
そこに出てくるのが中国製品です。

日本の価格破壊に味を占めた中国はその矛先を全世界に向け
そして世界はデフレスパイラルの渦中に…。
そんな構図なのではないでしょうか。
現在のような貨幣経済から好況不況を考えた場合、
弱インフレ状態にあるのが好況といえます。
つまりこの逆のデフレは不況を意味し、
その再生産はデフレスパイラルにほかなりません。
そしてその諸悪の根源は『価格破壊』…。

しかしこれが、資本主義国家全体に対してのアヘン戦争の仕返しだったら、
かなりの巧妙かつ臥薪嘗胆・虎視眈々な復讐策ですね。