6月 19 2010
先週(06/14~06/18)の為替動向
■米国株式市場 = 上昇
■原油先物市場 = 上昇
■NY金先物市場 = 上昇
■ドル円 = 下落(円高)
■ユーロドル = 上昇(ユーロ高ドル安)
■ユーロ円 = もみあい(ユーロ高円高)
相場の世界もW杯モードなのか大きな変動もなく淡々とした流れですが、株・原油・金が一斉横並び上昇です。
また、ユーロも同様に上昇してきてますので、相場はリスク選好型に移行しています。
先週、>>ドル円はドル高円高でもドル安円安でも同じようにもみ合い相場となる。と言うことを書きましたが、先週の相場は
対ドルでなら欧州通貨高ドル安 かつ 円高ドル安
対円でなら欧州通貨高円高 かつ ドル安円高、
対欧州通貨ならドル安欧州通貨高 かつ 円高欧州通貨高、と、もみ合う相手が変わってドル独歩安の状況です。
冒頭、株・原油・金が一斉横並び、加えてユーロも上昇のリスク選好型と書きましたが、金の上昇は最高値更新を見たいだけのイベント主導のバブルだと見ています。
また、原油バブルは経済の萎縮を生みます。
つまり、上昇余地があるのは株だけで、株が更なる力を付ければ、原油・ユーロ・ドルを伴い、ベストミックスの形で経済全体が上昇基調。となるのは、そう遠く無いと見ております。
また、メルマガ読者の人なら、先週のドル安は特に対円での「押し目」と見るのが、実需筋からも投機筋からも望まれる形。とご理解頂けるかと思います。
■各為替の週足デマーク指標値
(Demark Range Projection / Demark Pivot Points)
ドル円
予想高値 91.39 (DRP) / 91.39 (DPP)
予想安値 89.70 (DRP) / 89.70 (DPP)
ユーロ円
予想高値 113.23 (DRP) / 113.23 (DPP)
予想安値 107.85 (DRP) / 108.42 (DPP)
ユーロドル
予想高値 1.2553 (DRP) / 1.2552 (DPP)
予想安値 1.2247 (DRP) / 1.2249 (DPP)
ポンド円
予想高値 136.56 (DRP) / 136.50 (DPP)
予想安値 133.84 (DRP) / 133.90 (DPP)
ポンドドル
予想高値 1.5028 (DRP) / 1.5025 (DPP)
予想安値 1.4684 (DRP) / 1.4688 (DPP)
■資料ダウンロード(以下がひとつのファイルにとりまとめてあります。)
『先週(06/14~06/18)の為替動向』
→
2010_0618.pdfをダウンロード
◎先週の主要8相場チャート
◎先週限のドル円/ユーロドル日足6ヶ月分
◎先週の4本値と今週のPivot
◎週間為替リポート保存版PDF
6月 20 2010
人民元変動相場制に移行
本日早朝から既に種々の怪情報が飛び交っていますが、今回の決定を事実だけで書くと、
・2005/07/21以降継続してきたドルペッグ制を廃止する意向
・通貨バスケット制への移行
・一度の切り上げではなく柔軟に変動を継続
・変動幅は従前と同様の範囲(※0.5%/日)
と、即日の切り上げを行ったわけでも具体的なレートを明示したわけでもありません。
人民元の変動相場制への移行声明文=中国人民銀行
(中文-Web版) (中文-Word形式) (英文-WEB版) (英文-Word形式)
そこで次に何が考えられるかですが、最終的な誘導目標が定まっているわけではなく、ドルペッグから通貨バスケットへ移行するだけのことなので、極端な変動はないと思えます。
しかし、20/07/21以来のドルペッグ制による固定相場が生んだゆがみは21%にもなるので、単純計算で最大で0.5%/日の切り上げを42営業日=約8週間継続する可能性があります。
人民元の変動は円の変動とリンクしてきますので、可能性だけの話なら、現状91円のドル円が8週間をかけて82円まで下落と言う想定も可能になります。
対抗策は政府日銀による大量円売り介入しかありませんが、野田財務大臣は昨晩のうちに切り上げ歓迎のコメントまで発表しています。
Reuter:「中国の人民元柔軟化を歓迎、世界経済の安定と均衡への貢献を期待=野田財務相」
昔日の日銀砲は・・・現政権では期待出来ませんね。
【ネタ倉庫】ライトニング・ストレージ:「「日銀砲」の実情が当事者の一人、谷垣自民総裁の口から語られる」
さて、実際の為替の動きですが順当に考えればドル円は下落します。
ただし、その大方の予想を利用してきわめて初期、またはある程度進んだところでヘッジファンドが仕掛けてくる可能性も十分にあります。
ドル円ショートを建玉しそのまま放置は危険です。
また、これまではドルペッグだけを考えれば良かったものが、通貨バスケットの配分内容で、例えばユーロの割合が高ければ、ユーロの再下落時に人民元も下落することになるので、このときは円安に進みます。
声明文通り「柔軟に対応」してください。
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By najirane • FXに関する雑感, 分析・相場観・手法 • Tags: 人民元 切り上げ ドルペッグ 変動相場制 固定相場制