含み損と損切りのタイミング

9784408411378 最近出たFX本でとても面白い。
というよりも「素晴らしい」表現に出会いました。
著者の鈴木隆一さんと森好治郎さんの対談中に
出てきた表現なのですが、

>>例えば相場が急変して含み損を抱え、
 ナーバスになっているとしましょう。
 私がそういう状況で想像するのは
 同じように損を抱えて冷静な判断が出来なく
 なっている連中がたくさんいると言うことです。
 するとどこかのポイントで一斉に損切りが出て
 もう一度大きく相場が動く。
 この損切りの流れに乗じて儲けるトレーダーも
 出てくるわけですから、含み損を抱えたときは
 損切りのタイミングを計るのと同時に、ドテンする
 タイミングも冷静に探らなければいけません。

 
まさにトレードを知っている人の言葉だと思います。

昨今、雨後の竹の子のようにFX攻略本、HowTo本が
出版されていますが、中には
(本当にこの著者はFXをしたことがあるんだろうか?)とか
中には、使っているチャートや指標と説明文がちぐはぐ。なんて本まである始末。
名前だけ借りて広告代理店なんかが書いているのは見え見えですね。

2009_1110_2 ところで、つい先ほどですが、
まさに上記のようなチャートを目にしました。
NYが始まる1時間ほど前のユーロドルですが、
20:00少し前に、1.5020の最高値をつけた後、
登ってきたのと同じような勾配で下落を続け、
22:00少し過ぎに、1.4963の安値を付け反転。

ここから先が先ほどのストーリーそのものですね。
1.4976を超えた頃に、8日,20日移動線も越えたし
ゴールデンクロス間近って感じ。
よし、これはロングでエントリー!
なんて思った人は多いはず、

そして調子良く、1.4989まで上がったものの
そこから急遽反転。
1.4980を切ったあたりで数pipで良いから利確!と
初弾の損切りが大きな売りとなり更に下落。
遅れて、1.4970を切った頃、我も我もと損切り続々。
結果、1.4952まで落としてしまいました。

冒頭に書いた「その時の情景」が絵に浮かびますね。
損切りを最後まで出来なかった人は20pipほどのマイナスをしたと思いますし、
巧く天井でドテンした人は、都合30pipほどプラスを取れたと思います。

冒頭の本の紹介に戻りますが、このように、
「実際トレードをした人なら解る感覚」で書かれていると思います。
各種のテクニカル指標の説明も、メリットデメリットの説明から
どういったときに使えばよいのかまで、「まさにその通り」な内容ですね。
初心者向けのように書かれていますが、中級以上の方にもお薦めです。

テクニカル分析で勝つFX 為替のプロはチャートをこう解く!
鈴木隆一, 森好治郎, FXプライム
実業之日本社 B5判 107頁 2009年11月発売 1,000円 (税込)