11月 5 2011
CFTC IMMポジション(11/01集計-11/04公表分)
「円」ロングは前週比 -32328枚(-42.5%)の減少で 43671枚(前週:75999枚)、「円」ショートは前週比 -3953枚(-18.2%)の減少で 17767枚(前週:21720枚)。10月末日の日銀介入ショックからか先回のロング大量増を巻き返すかのような変動の結果、売買比は買越しも半減。買越し枚数は前週比 -28375枚(-52.3%)の減少で 25904枚(前週:54279枚)、売買計は前週比 -36281枚(-37.1%)の減少で 61438枚(前週:97719枚)と、買い越し枚数売買数とも今夏以前の水準まで縮小しました。
全体売買枚数構成比(MXN除く)では、ロングはIMM全ロング枚数の 22.4%(前週:36.9%)で -14.6%の増加、ショートはIMM全ショート枚数の 6.9%(前週:8.2%)で -1.3%の減少となりました。
レート変化では、前火曜→前金曜終値で76.08円→75.82円と円高、前火曜→今火曜終値では76.08円→78.38円と円安、今火曜→今金曜では 78.38円→78.24円と円高、2週通算の前火曜→今金曜では76.08円→78.24円で円高。と、介入を経てこちらも今夏以前の水準まで戻した形になっております。
別なエントリーにも書きましたが、月末なおかつ月曜日の仲値直後と言う「近々に介入の想定はしていてもまさかここじゃないだろう…」実需も仮需も唖然とするタイミングで入った日銀介入はそれなり効果を残したようで、10/31午前に79円超えした後、現在まで永らく82円前半を維持している状況です。
今回の介入について安住財務相は「投機的な動きが見られるため」としておりますが、Twitter等では「ダラ下がりのこのドル円のどこが投機的なんだよ」等々の懐疑的…と言うよりもただ単にケチ付け発言が散見されましたが、左記グラフを見れば一目瞭然のように、先回のIMM集計では異様に売買が増加しており今回はそれを抑制した効果は認められるべきであり、8/4介入にあってもその前週まで拡大一途であった売買を抑制した効果は高いと思います。チャート上のレート変化だけを見ていたら気付きにくいことでも、こういう形のグラフだと理解が容易ですね。
「ユーロ」ロングは前週比 4988枚(23.4%)の増加で 26311枚(前週:21323枚)、「ユーロ」ショートは前週比 -11464枚(-11.7%)の減少で 86371枚(前週:97835枚)。ショート大量減の結果、売買比は売り越しを縮小。売り越し枚数は前週比 -16452枚(-21.5%)の減少で 60060枚(前週:76512枚)、売買計は -6476枚(-5.4%)の減少で 112682枚(前週:119158枚)と言う結果となりました。
全体売買枚数構成比(MXN除く)では、ロングはIMM全ロング枚数の13.5%(前週:10.4%)で 3.1%の増加、ショートはIMM全ショート枚数の33.7%(前週:36.9%)で -3.2%の減少となりました。
レート変化では、前火曜→前金曜終値で 1.3909→1.4148とユーロ高、前火曜→今火曜終値で1.3909→1.3663とユーロ安、今火曜→今金曜では 1.3663→1.3791とユーロ高、2週通算の前火曜→今金曜では 1.3909→1.3791とユーロ安となりました。
先々週、10/26から10/27にかけての400ポイント近いユーロの爆騰は結局ショートカバーの一環なのか、単にデフォルト回避のご祝儀だったのか定かではありませんが、先週もギリシャを巡る一喜一憂で幅は中規模ながらも大きくうねり、トレード対象としての旨味はあっても落ち着き先の見えない展開が続いております。
先週末もG20で熱心にギリシャ及びEU諸国の行く末を案じているその最中であってもパパンドレウ首相の挙動は親子心子知らず状態で自由奔放。本当に秩序あるデフォルトか排除かどちらしかないことが望まれます。
CFTCで扱われる通貨全体(MXN除く)では、ロングが前週比 -10600枚(-5.2%)の減少で 195213枚(前週:205813枚)、ショートは前週比 -8523枚(-3.2%)の減少で 256506枚(前週:265029枚)、この結果、売買比は売り越し継続。売り越し枚数は前週比 2077枚(30.5%)の増加で 61293枚(前週:59216枚)。売買計では前週比 -19123枚(-4.2%)の減少で 451719枚(前週:470842枚)となりました。
個別に見た場合、今回は日銀介入の影響か対円ロングの減少が著しく、同時にユーロショート減少が加わった結果、総売買数が減少という事になるかと思います。
他には対スイスでのロング・ショートとも減少、対豪ドル・対ポンドでのロング・ショートとも増加が目立つような形です。
全体売買枚数構成比から言ったロングベスト3は豪ドル・円・加ドル。ショートベスト3は前回に同じくユーロ・ポンド・加ドルとなっております。
■ 資料ダウンロード
『11/01集計-11/04公表のIMMポジション』
→ IMM_20111101.PDF をダウンロード
※CFTC IMMポジションとは米商品先物取引委員会(CFTC)に全米の各取引所から報告された、International
Monetary Market 通貨先物取組を集計したもので、毎週火曜日のNYクローズ時点での集計が金曜日のNYクローズ後(日本時間では土曜日早朝)に公表されます。
データ参照先:CFTC Historical Compressed
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11月 6 2011
先週(10/31~11/04)の為替動向
【先週(10/31-11/04のドル円を中心とした相場の流れ】
【10/31:月】未明(OANDAでは3:04)に75.318円の史上最安値を付けるも東京早朝には75.70円程まで戻しての週明けスタート。
月末日ながら月曜日という特殊日の半信半疑な介入警戒の中、10:25に日銀介入が発動、10:25の1分足で75.616円から77.185円と、約1円60銭の急上昇に続き、10:54の78.966円まで連続上昇。
ここで一旦押し目を作るも、11:06の77.653円から即座に反発。
11:37の79.484円まで第2次連続上昇を続け、通算77分で約3円80銭を押し上げる介入となる。
その後東京終了近くまで79.19円で微動だにしない状態が続き、終了間際に最終弾なのか再上昇、15:04に79.523円を付け、以後79.25-40円付近でもんだ後、欧州時間入りとなる頃、当局の追加介入はもう無いとふまれたか78.90円付近まですとんと急落、その後も小幅もみ合いを続けていたが、ゴンザレス・パラモECB理事から単独介入を牽制する発言や白川日銀総裁から実効レートから見れば必ずしも円高ではない等、内外から介入を疑問視する発言からジリ安になるが、78円を僅かに切ったレベルで踏ん張り、以後ロンドン・NYを通じ78円前後の小幅膠着を維持。
【11/01:火】78.20円付近からスタートした東京は9時過ぎにやや大きめのドル買いが持ち込まれ、介入と誤認されたことからストップを巻き込み78.948円まで急騰。介入ではない(なんちゃって介入?)ことが確認されると78.30円付近まで戻され仲値を通過後は78.20円台で小幅もみ合いに復帰。
NY時間に発表の10月ISM製造業指数は予想割れとなったが受注関連項目に改善気配が見られることから特段変動もなく僅かなジリ上げ模様で78.40円付近まで上昇してNYを終了。
【11/02:水】東京は8頃には78.38円付近を維持していたが、仲値に向けて78.25円付近まで軟化すると、以後そのまま軟化。ダラダラと78.10円付近まで軟化して欧州とバトンタッチの後、中国がEFSF向けに7000億ユーロを拠出との噂が席巻。ユーロ瞬騰に呼応したドル売りからドル円は77.95円まで瞬落。しかし介入警戒も手伝い早々に78円台を回復してNY時間へ。
10月ADP全米雇用報告は予想をやや上回るも特段の反応もなくFOMC待ちとなるが、そのFOMCも織り込み済みの内容に終始し無風通過。
【11/03:木】祝日休日の東京は介入警戒も手伝い、(実体は無いが)仲値時分に78.14円付近まで強含んだ後、78円を僅かに上回るレベルまで押し戻されそのまま極めて緩いジリ安移行。
欧州時間となり、ECBによるイタリア国債購入報道が伝わり前日同様のユーロ買い/ドル売りからドル円は断続的に78円割れ。しかしまた前日同様早々に元のジリ安基調へ復帰。
NY時間に発表の新規失業保険は予想を上回るも、続くECB理事会が気になり「悪くなけりゃOK」でほぼ反応は無し。そのECB理事会は予想外の利下げ発表となり、ユーロが急落。ドル円もユーロ円に引きずられ一時77.88円付近まで下落したが対ユーロでのドル買いが優勢となった事から78円台を回復。
【11/04:金】週最終日は雇用統計を控えドル円は前日同様に東京時間は78.05円~77.98円程までごく緩いジリ安で推移。欧州時間に入って一時的に78.10円付近まで上昇するも再度ジリ安展開に戻り、迎えた10月全米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想を下回り、前月分の上方修正が同時に発表されたが、失業率が9.1%から9.0%に改善と、思案所な結果に。
ほぼ同じ頃、G20において欧州債務問題に対して具体的な方策指針等が見られなかったことからユーロが失望売りへ。対ユーロでのドル買いに呼応しドル円は上昇ユーロドルは下落。ドル円は23時前に78.25円まで上昇したが、ユーロの買い戻しから方向感のないもみ合いとなり78.20円付近で1週間を終了。
【11/07:月からは米国・カナダも冬時間へ移行】
これにより国内の多くのFX会社も営業開始が1時間遅れることとなり、早朝オセアニアとの時間的距離が離れます。
まさか週初早々にそれを突いてくることはないと思いますが、何があるか解らないところが危険性であり妙味でもあります。
また、先週は介入の影響やギリシャ問題の難航でバランスが崩れ10月相場の延長のような雰囲気もありましたが、今週以降は霜月相場本番~仕上げの師走相場準備になるかと思います。風向きの変化にはくれぐれもお気を付けください。
■資料ダウンロード(以下がひとつのファイルにとりまとめてあります。)
『先週(10/31~11/04)の為替動向』
→ 2011_1104.PDF をダウンロード
◎先週の主要8相場チャート
◎先週限のドル円/ユーロドル日足1年分+時間足3週間分
◎先週の4本値と今週のPivot
◎週間為替リポート保存版PDF
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By najirane • 為替動向と予想 • Tags: デマーク指標 Demark Range Projection Fibonacci Zone ユーロドル ドル円 クロス円 原油 為替 株式 米国 指標 ダウ 介入 日銀 金融緩和 FRB ECB QE2 QE3 FOMC バーナンキ 出口戦略 ギリシャ イタリア スペイン 緊縮財政 雇用統計