6月 5 2011
ドル円。方向性は出るのか?(6/5版)
それでは、今朝ほどTwitterでつぶやいた「何故あの雇用統計で80円を割らなかったのか」をちょっと捻ってみたいと思います。
左は昨年5/3からの1年分日足ですが、3/16,17の戦後最低安値を除けば、幾度となく80.50~80円を基底としているように、まれに80円付近まで差し込まれてもその都度はね返しています。
しかしどう見ても、上値は切り下がってレンジ幅も縮小。ペナントを細長く延長するのも限界でしょう。
そのペナント延長の期限として真っ先に思い浮かぶ材料はやはりQE2終了ではないでしょうか。…なお私がこのように「材料」と表現するのは「ヘッジファンド等の仕掛け筋が材料にするもの」と言う意味です。
次にこちらはここ3週間分の時間足ですが、ご覧のように先々週のGDPや週間失業保険が悪くても、雇用統計先行指標であるADP/ISMそれに週間失業保険が悪くても、薄青のラインを描けるようなものなのに、日本国債格下げ意向ニュースまで出動させて、実際たどったラインは薄オレンジのようなかまぼこ形を形成し、下降モード進行中という形です。しかしここ2,3週間の材料だけでも何か仕組まれている感じがしないでもない以上に、考えてみてやっぱりおかしいのは6/3 21:30に発表された雇用統計。
5月非農業部門雇用者数(前月比)は予想 +16.5万人に対し +5.4万人。5月民間部門雇用者数(前月比)は予想 +17.0万人に対し +8.3万人。そして失業率は予想 8.9%に対して 9.1%。続いて23:00に発表された5月ISM非製造業総合景況指数では予想 54.0に対し 54.6という事で、雇用統計の下落をほぼ全戻しして、NY引けにかけてもう一度雇用統計発表時の下値域まで落下と、逆N字を描きましたが、★この雇用統計の数字は続くISMで全戻しされるほど甘い物だったのか?★再度思い直して下落したとは言え、発表時の急落も週間全イベント終了しての引け値でも80円台を維持できるほど甘い物だったのか?★いくら雇用統計悪化は織り込み済みと言っても、下方修正した予想から更に悪化で80円台維持は甘くないのか?と言う疑問が残ります。
菅内閣不信任案の否決茶番劇と同じような茶番劇がここにも存在しているのではないでしょうか。つまり、ネガティブサプライズ/サプライズを装っての、仕組まれた80円台維持。
多くの市場参加者は「ドル安は既定路線」との基本理解と共に「でも案外そろそろ大反転?」と言う相反したシナリオを抱いているはずです。
そう、ここで「これでも80円台を維持できるなんて、やっぱりドル円は底堅い。」と言うイメージを持たせる事で大反転の可能性を更に臭わせ、ここが底値と思わせてロングを積み増しさせていく。
いつまでも上がらず低迷が続けば「これはQE3催促相場だ!」などと煽って思いとどまらせればよいし、3/16,17の戦後最安値を除けば、現状下値メドは5/5の79.56円。
この80円前後というのはとてもロング建玉には都合の良いレベルだと思いませんか?
そして、80円前後~下がっても79.50円のロング建玉ならストップは79円アンダーと考えれば、その辺りにストップが大きく貯まってから、78.00-50円めがけての大玉を投げればカタが付きますね。
今週は材料が無さそうに見えて6/8深夜のベージュブックや国債入札など、動かそうと思えば動く材料も控えています。さしずめ6/8のベージュブックで79円台を示現したら、「来たな?」と思っても良いでしょう。
あ、その後はもちろん大反転です。(笑)
↓ ↓ お役に立ちましたらこちらもよろしくお願いします ↓ ↓ | |||
デマークのチャート分析テクニック―マーケットの転換点を的確につかむ方法 | |||
DVD 外為ディーラーのテクニカル分析 デマーク指標に学ぶ普遍的テクニック | |||
トレーダーズショップ 投資関連書/投資DVD 月間総合ランキング |
6月 12 2011
CFTC IMMポジション(6/7集計-6/11公表分)
6/7 NYクローズ時点集計の米商品先物取引委員会 IMM通貨先物取組(=CFTC IMMポジション) (日本時間 6/11朝公表分)
「円」ロングは前週比 48.4%の増加で 35883枚(前週:24186枚)、「円」ショートは前週比 -29.3%の減少で 18252枚(前週:25834枚)。この結果、売買比は4週ぶりに売り越しに転じた前週から買越しへと再逆転。買越し枚数は前週比 1169.8%の増加で 17631枚(前週:-1648枚)、売買計は前週比 8.2%の増加で 54135枚(前週:50020枚)となりました。
全体売買枚数構成比(MXN除く)では、ロングはIMM全ロング枚数の 11.0%(前週:8.2%)で 2.8%増加、ショートはIMM全ショート枚数の 12.4%(前週:16.7%)で -4.4%の減少となりました。
レート変位では、前火曜→前金曜終値で81.50円→80.28円と円高、前金曜→今火曜終値では80.28円→80.12円と円高、今火曜→今金曜では 80.12円→80.30円と円安、2週通算の前火曜→今金曜では81.50円→80.30円で円高。という事になりました。
今回集計日時点での終値では80.12円、週末終値でも80.30円と80円台を維持しているように見えますが、今回集計日の翌日(6/8)には79.68円と5/5以来1ヶ月ぶりに80円を割っており、80円割れで引けたのは3/18の震災安値以来2ヶ月半ぶりです。
先週、>>今回の集計以降は週末にかけ80円割れ間際まで売り込まれている状況から、再び円ロングが増加しているの ではないでしょうか。逆に言って、ドルショートの対象がたまたまユーロロングの割合が多かっただけで、もう少し円ロングが多かったら80円を割っていたかも知れない。という事になります。<< と書きましたが、IMM動向はまさにそのように動き、1ヶ月ぶりの80円台割れを見たことになります。つまり前週の売り越し転換は、このブログの一つ前のエントリー「ドル円。方向性は出るのか?(6/5版)」では安心させてのロングの積み増しとも書きましたが、プロレスの試合でロープの反動を利用しての攻撃力を高めるような円高アタックだったと言うことになります。
「ユーロ」ロングは前週比 20.0%の増加で 96555枚(前週:80494枚)、「ユーロ」ショートは前週比 -23.6%の減少で 44719枚(前週:58524枚)。この結果、売買比は買い越し継続。買い越し枚数は前週比 135.9%の増加で 44719枚(前週:21970枚)、売買計は 1.6%の増加で 141274枚(前週:139018枚)となりました。
全体売買枚数構成比(MXN除く)では、ロングはIMM全ロング枚数の29.5%(前週:27.2%)で 2.3%の増加、ショートはIMM全ショート枚数の30.3%(前週:37.9%)で -7.7%の減少となりました。
レー ト変位では、前火曜→前金曜終値で 1.4395→1.4636とユーロ高、前金曜→今火曜終値で1.4636→1.4688とユーロ高、今火曜→今金曜では 1.4688→1.4349とユーロ安、2週通算の前火曜→今金曜では 1.4395→1.4349とユーロ安、また、先週のユーロ最高値は6/7NY引け直前の1.4695、最安値は週末NY引け直前の1.4321でしたので、まさに今回集計時まで上昇後反転下落した形となります。
これは6/9のECB政策金利発表、続くトリシェECB総裁会見での利上げ意向有無が注目され失望した結果でしたが、会見で7月の利上げを表明しているのに何故下落なのか?と言う声がtwitterなどでは(初心者を中心に)散見しておりました。しかしこれがセルザファクト「噂で買って事実で売れ」の典型例というものでしょう。
CFTCで扱われる通貨全体(MXN除く)では、ロングが前週比 10.46%の増加で 327033枚(前週:296076枚)、ショートは前週比 -4.28%の減少で 147720枚(前週:154323枚)、この結果、売買比は買い越し継続。買い越し枚数は前週比 26.50%の増加で 179313枚(前週:141753枚)。売買計では前週比 5.13%の増加で 474753枚(前週:450399枚)となりました。左記のグラフのようにここ5週では丁度U型にロング側へシフトしているような形となります。
個別に見ると、円・ユーロ・ポンド・豪のロングが増加、豪・カナダ・フランのショートが増加と基軸国通貨ロングとその反対売買が目立ちます。ざっくり言うと、対円・対ユーロでのショートを減らし、対加ドル・対フランのショートを増加させ、反対売買で対円・対ユーロのロングが増加した。と言った具合です。
なお、先週、>>対ポンドはここ3週間売り越し状態ですが、売り越し枚数が減少すると共に売買数がほぼ並んでいるため、次週にはイーブンもしくは買い越しに転ずる可能性も考慮していた方が良いかも知れません。<< などと書きましたが今ひとつ及ばなかったようでした。しかし、イーブン目前ですね。
全体売買枚数構成比から言ったロングベスト3はユーロ・豪ドル・円。ショートベスト3はユーロ・ポンド・加ドルとなっております。
■ 資料ダウンロード
『6/7集計-6/11公表のIMMポジション』
→ IMM_20110607.pdf をダウンロード
にほんブログ村
為替・FXランキング
By najirane • IMMポジション • Tags: 米商品先物取引委員会 通貨先物 取組 IMMポジション CFTC CME ドル 投機筋 仮需 実需 円 ユーロ 売り越し 買い越し 円高 円安 日銀 金利 FOMC ADP ISM 雇用統計 欧州 ギリシャ 総選挙 QE3 緩和 緊縮