※初めてお越しの方へ:いきなりこのエントリーだけを見る前に、前回の「時間軸の考え方」や「相場のOutoLineとDetail 2」辺りを参照しておいてください。ある時間軸だけで考えることや、チャートだけで戦略建てすることは「木を見て森を見ず」につながります。
まず最初に、左は先週の為替動向でも使っている先週1週間分の30分足です。
バーナンキFRB議長は7/13の下院での議会証言ではQE3を否定しないような発言を行い、7/14の上院では念頭にないと実施を否定しました。(なお、私は下院証言の段階からデフレ状況によっては…と実施を限定していたと思ってましたが、多くのマスコミは否定しなかったの一点張りでしたね)
この2つの議会証言による流れを見ると(7/13,14両日の下値アタックを無視して)週初から一貫して下げ続けたドル円は、下院後には続く上院での見極め待ちを決め、上院後はドル円売りは一服し、むしろ戻すかのような動きになりつつあるように見えます。
※7/13,14両日の下値アタックは市場の総意ではなく投機筋の明確な意図を持った売り仕掛けだと思います。また、7/14の急騰はこれも目的ある正規の需要がたまたま大玉過ぎただけと思っています。従って、長々と伸びたヒゲは計算する際の幅として含むとしても、市場の総意という観点から見るなら、ある種ノイズと考えても良いかと思っています。
さて、次に左はもう少し長い時間をとった4時間足です。左端は東日本大震災付近になりますが、このとき付けた安値と今週の下値アタック安値、震災安値から戻しが入り協調介入直前と6月初旬からのサポートTLは平行線を引けるため、これは上昇チャネルを形成していると見て良いかと思うのですが…このチャートで見る限りもう一度下値アタックをやりそうな雰囲気でもありますね。
最後は日足チャートです。4時間と同じTLを引いた…と言うより先にこちらを描いて後から4時間を描いたのですが、こちらでは先ほども書いた震災安値以来の上昇チャネル下端で跳ね返り、上昇を目指しているかのように見えます。しかし先週の安値は昨年の介入安値から延々引ける下降チャネル下端でもあります。
つまりこれから数週間くらいの範囲で、3月の震災安値からの上昇チャネルなのか、昨年の9月介入以来の下降チャネルなのかの大きな分かれ目がやってくるという事で、早ければ4時間足の項で書いた再度の下値アタックで解るかも知れませんし、この場合は近々答えは出ますが、このまま戻してどちらのチャネル上端まで行くのか跳ね返されるかを見るまでにはまだ期間を要するかと思います。
その辺の材料となり得るのは債務上限引き上げと歳出削減案の行方そしてQE3の有無。という事になるかと思いますが、Twitterでもたびたび書いているように結果的に債務上限は引き上げると思います。問題は歳出削減案の方で、その交換条件となる増税等の措置に関してまだまだ悶着しそうですね。
最後にQE3に関してですが、私は無いかあってもかなり方策を変えた形になると思っています。左は昨年来のCPI(消費者物価指数)の推移ですが、QE2の口実となったインフレ率の悪化とその打開策としてのQE2が効果を上げたことが如実だと思います。よってインフレ率も向上を果たし、金利も低下した今はQE2実施時と状況が異なり、同じ口実や方策は使えないわけです。
ここからここまでの記述を遡ると、QE3は無い。歳出削減案はまだ悶着があっても債務上限は引き上げられるだろうから、ムーディーズから警告されている見通し格下げも無くなる。という事になり、歳出削減案が鍵となるだろう事が結論付いてしまうわけで、これによっては大きな投資先変更等の流れが起き、それによっては…と続くわけです。
何の結論も出てないように見えますが「考え方の一助」にはなりましたでしょうか?
7月 17 2011
ドル円。方向性は出るのか?(7/17版)
※初めてお越しの方へ:いきなりこのエントリーだけを見る前に、前回の「時間軸の考え方」や「相場のOutoLineとDetail 2」辺りを参照しておいてください。ある時間軸だけで考えることや、チャートだけで戦略建てすることは「木を見て森を見ず」につながります。
まず最初に、左は先週の為替動向でも使っている先週1週間分の30分足です。
バーナンキFRB議長は7/13の下院での議会証言ではQE3を否定しないような発言を行い、7/14の上院では念頭にないと実施を否定しました。(なお、私は下院証言の段階からデフレ状況によっては…と実施を限定していたと思ってましたが、多くのマスコミは否定しなかったの一点張りでしたね)
この2つの議会証言による流れを見ると(7/13,14両日の下値アタックを無視して)週初から一貫して下げ続けたドル円は、下院後には続く上院での見極め待ちを決め、上院後はドル円売りは一服し、むしろ戻すかのような動きになりつつあるように見えます。
※7/13,14両日の下値アタックは市場の総意ではなく投機筋の明確な意図を持った売り仕掛けだと思います。また、7/14の急騰はこれも目的ある正規の需要がたまたま大玉過ぎただけと思っています。従って、長々と伸びたヒゲは計算する際の幅として含むとしても、市場の総意という観点から見るなら、ある種ノイズと考えても良いかと思っています。
さて、次に左はもう少し長い時間をとった4時間足です。左端は東日本大震災付近になりますが、このとき付けた安値と今週の下値アタック安値、震災安値から戻しが入り協調介入直前と6月初旬からのサポートTLは平行線を引けるため、これは上昇チャネルを形成していると見て良いかと思うのですが…このチャートで見る限りもう一度下値アタックをやりそうな雰囲気でもありますね。
最後は日足チャートです。4時間と同じTLを引いた…と言うより先にこちらを描いて後から4時間を描いたのですが、こちらでは先ほども書いた震災安値以来の上昇チャネル下端で跳ね返り、上昇を目指しているかのように見えます。しかし先週の安値は昨年の介入安値から延々引ける下降チャネル下端でもあります。
つまりこれから数週間くらいの範囲で、3月の震災安値からの上昇チャネルなのか、昨年の9月介入以来の下降チャネルなのかの大きな分かれ目がやってくるという事で、早ければ4時間足の項で書いた再度の下値アタックで解るかも知れませんし、この場合は近々答えは出ますが、このまま戻してどちらのチャネル上端まで行くのか跳ね返されるかを見るまでにはまだ期間を要するかと思います。
その辺の材料となり得るのは債務上限引き上げと歳出削減案の行方そしてQE3の有無。という事になるかと思いますが、Twitterでもたびたび書いているように結果的に債務上限は引き上げると思います。問題は歳出削減案の方で、その交換条件となる増税等の措置に関してまだまだ悶着しそうですね。
最後にQE3に関してですが、私は無いかあってもかなり方策を変えた形になると思っています。左は昨年来のCPI(消費者物価指数)の推移ですが、QE2の口実となったインフレ率の悪化とその打開策としてのQE2が効果を上げたことが如実だと思います。よってインフレ率も向上を果たし、金利も低下した今はQE2実施時と状況が異なり、同じ口実や方策は使えないわけです。
ここからここまでの記述を遡ると、QE3は無い。歳出削減案はまだ悶着があっても債務上限は引き上げられるだろうから、ムーディーズから警告されている見通し格下げも無くなる。という事になり、歳出削減案が鍵となるだろう事が結論付いてしまうわけで、これによっては大きな投資先変更等の流れが起き、それによっては…と続くわけです。
何の結論も出てないように見えますが「考え方の一助」にはなりましたでしょうか?
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By najirane • 為替動向と予想 • Tags: トレンド 地合 チャネル QE2 QE3 バーナンキ 議会証言 債務上限 歳出削減案