人民元変動相場制に移行

Jinmingen 本日早朝から既に種々の怪情報が飛び交っていますが、今回の決定を事実だけで書くと、
 ・2005/07/21以降継続してきたドルペッグ制を廃止する意向
 ・通貨バスケット制への移行
 ・一度の切り上げではなく柔軟に変動を継続
 ・変動幅は従前と同様の範囲(※0.5%/日)
と、即日の切り上げを行ったわけでも具体的なレートを明示したわけでもありません。

人民元の変動相場制への移行声明文=中国人民銀行
(中文-Web版) (中文-Word形式) (英文-WEB版) (英文-Word形式)

そこで次に何が考えられるかですが、最終的な誘導目標が定まっているわけではなく、ドルペッグから通貨バスケットへ移行するだけのことなので、極端な変動はないと思えます。
しかし、20/07/21以来のドルペッグ制による固定相場が生んだゆがみは21%にもなるので、単純計算で最大で0.5%/日の切り上げを42営業日=約8週間継続する可能性があります。
人民元の変動は円の変動とリンクしてきますので、可能性だけの話なら、現状91円のドル円が8週間をかけて82円まで下落と言う想定も可能になります。

対抗策は政府日銀による大量円売り介入しかありませんが、野田財務大臣は昨晩のうちに切り上げ歓迎のコメントまで発表しています。
Reuter:「中国の人民元柔軟化を歓迎、世界経済の安定と均衡への貢献を期待=野田財務相」
 
昔日の日銀砲は・・・現政権では期待出来ませんね。
 【ネタ倉庫】ライトニング・ストレージ:「「日銀砲」の実情が当事者の一人、谷垣自民総裁の口から語られる」

さて、実際の為替の動きですが順当に考えればドル円は下落します。
ただし、その大方の予想を利用してきわめて初期、またはある程度進んだところでヘッジファンドが仕掛けてくる可能性も十分にあります。
ドル円ショートを建玉しそのまま放置は危険です。
また、これまではドルペッグだけを考えれば良かったものが、通貨バスケットの配分内容で、例えばユーロの割合が高ければ、ユーロの再下落時に人民元も下落することになるので、このときは円安に進みます。

声明文通り「柔軟に対応」してください。

↓ ↓ お役に立ちましたらこちらもよろしくお願いします ↓ ↓
FX・為替 人気ブログランキング FXブログポータルサイト 「FXの庭」ブログランキング ブログセンター ビジネス/経済/社会カテゴリー にほんブログ村 為替ブログ