連載:その地合判断、正しいですか? (その1)

0603_usd 左記はここ1ヶ月のUSDJPY日足チャートです。
大抵の地合解説では
「5月中盤頃からドル安が進んだが
 後半から持ち直しつつある」だと思いますが、
本当にそれで合ってますか?
本当にドル安だけのことでしょうか。

0603_all 実際には左記のように
(左上) USDJPY (右上) EURJPY
(左中) GBPUSD (右中) GBPJPY
(左下) EURGBP (右下) EURUSD などを
総合的に判断する物ではないでしょうか。
と言うのも為替相場は株と違って
日経平均やダウ平均と言った
ベンチマークが存在しない
ゼロサム(相対的)なものだからです。

例えば日経平均というベンチマークがあるからこそ
それに比して、鉄鋼/電機株が上がり、繊維/食品株が下がった。とか
日経平均にほぼ同じであれば、市況に支えられ堅調。とか、不況感から軟調などと
簡単に言えるわけですが、前述のように為替相場はゼロサムですから、
ある通貨ペアに限定するならまだしも、単純にドル安とか円高とか言える基準は無い訳です。

上記の6ペアチャートを総合的に判断するなら
ポンドとユーロが上昇、ドルと円は下降、
強いて言うならポンドがもっとも上昇傾向が顕著であり、円は通期で売られっぱなし、
特に円は中盤はユーロに対し、後半はドルにも見放された。
でしょう。

と、まぁここまでの話はほとんど平田啓さんの受け売りに近いです。
詳しくは平田啓さんの著書
FX 誰も教えてくれなかった外為ディーラーの儲け方」や、
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為替ディーラーのテクニカル分析 デマーク指標に学ぶ普遍的テクニック
をご覧ください。
「為替相場」に向き合う自分の姿勢が変わってくると思います。

そこで私が今研究中なのが
株には日経平均やダウ平均という指標があるが、
為替はゼロサムだから平均といった指標はない。
それならゼロサム(相対的)なまま比較したり、
定量化した上昇/下降基調指標を作ることがむしろ自然なのではないか?

と言うことです。

先ほど6通貨のチャートから地合の分析を行ったのは
あくまでアナログ的な視覚による物です。
これを定量化した、誰が行っても同じ答えが出る物は出来ないか?と言うことです。

少し前にも書きましたが私は現在、デマーク指標を信奉しています。
システムトレードと言うことではなく、
●従来指標 → ○デマーク指標
・主観的  →  客観的
・アナログ  →  機械的
・流動的  →  一貫性
を得られるからです。
そこで地合というか相場観に関しても、同様な試みが出来ないかな?と言うことで
これから折に触れその辺の試行錯誤を書いていこうかと思っています。

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