8月 7 2011
先週(8/1~8/5)の為替動向
【8/1:月】米国債務上限引き上げ/財政削減問題から前週末は76.85円で引けたが、土日の進展状況報道から早朝は30銭ほど窓明けし、77.60円台まで上昇するも利食いも早く、77.15円付近まで戻して東京スタート。
東京始動はオバマ大統領の両党合意会見とも重なり再度78.01円まで急騰、しかし最終結果を待ちたいのかここで頭打ちとなり、昼頃には77.40円台まで調整売り。
欧州序盤に77.65円付近まで戻すも以後は欧州株の伸び悩みからリスクオフとなり、フラン買い加熱からドルスイスは史上最安値更新、クロス円軟化傾向にドル円も連れ安し、東京高値から1円を超える下落。
NY時間に発表のISM製造業が予想割れとなり76.26円まで続落したが、日本政府の緊急対策準備の日経報道から介入警戒が想起され反発。
米議会での財政問題進展を様子見する形で反発は続き、77.20円付近でNYを終了。
【8/2:火】前夜に報道された緊急対策準備を材料に東京は77.50円付近を推移する展開となったが与謝野経財相の「為替介入など聞いていない」発言から77.20円付近まで急落。しかし介入は野田財務省の専断事項である事から与謝野発言は単にトンデモと理解され77.40円付近を推移するレベルに反発。
欧州からNYにかけてはじり安推移となり、NY時間後は個人消費や米株軟調から金利低下から76.90円台まで下押しされるも介入警戒から77.00円前後を底堅く推移。
【8/3:水】米国債務上限・財政削減の妥協的決着から米国景気後退懸念から下押し圧力となるも、介入懸念が底支えし、77.10円付近を上下する小動きに終始。
NY時間に発表のADP雇用統計の好結果となったがその後に発表のISM非製造業が振るわなかったため76.80円台まで下押しとなるが介入警戒から底堅く推移。ダウ復調からドル円も77円台に復帰してNYを終了。
【8/4:木】仲値通過後の10:00。日銀介入発動。約15分で78.40円まで上昇し止まったかに見えたが11:10に第2弾発動で12:20頃には79.12円まで続騰。
12:50頃には78.78円まで戻されたが、ここで第3弾発動。東京終了頃には79.40円付近で頭打ちのように見えたが16:20に第4弾が発動し17:20には79.98円まで続伸。
この後17:55には79.20円まで大きく下押しされたがここで第5弾が発動され最終的に19:10には80.21円。介入開始から3円を超える上げ幅となった。
しかしトヨタ他一部輸出企業の内部レート水準である80円に達したことから以後は戻り基調となり、加えてトリシェECB総裁が欧州経済に対して慎重論を唱えるとクロス円軟化につれてドル円も78.65付近まで連れ安。NY午後からは介入警戒からか79円付近まで反発。
【8/5:金】日本株寄り付き前には79.30円付近まで反発を進めたが、野田財務省の介入慎重発言やNY時間の雇用統計弱含み予想が下押し材料となり昼頃には78.40円まで続落した13時過ぎに1円近い正体不明の急騰があったがほぼ瞬時に行って来い。当局は介入を否定したため未だその正体は不明。
米雇用統計は予想に反した好結果となったが、79円までの瞬間急騰に止まり、急速に値を戻す。78.40円前後で動意無く1週間を終わる。
【8/6:土】日本時間午前9時過ぎ(NY時間午後8時頃)、S&Pが米国債の格付けをAAAからAA+にダウングレード。週明けの波乱相場が予感されることに。
■■■【週足デマーク指標/フィボナッチゾーン】■■■
TD Range Projection
USD/JPY High: 81.28 / Low: 77.34
EUR/JPY High:115.15 / Low:111.17
EUR/USD High:1.4366 / Low:1.3968
GBP/JPY High:132.98 / Low:126.34
GBP/USD High:1.6432 / Low:1.6183
Fibonacci Zone USD/JPY
R2 82.24 ~ 83.75 / R1 80.27 ~ 80.74
S1 76.33 ~ 75.87 / S2 74.36 ~ 72.86
Fibonacci Zone EUR/USD
R2 1.4660 ~ 1.4812 / R1 1.4461 ~ 1.4508
S1 1.4063 ~ 1.4016 / S2 1.3864 ~ 1.3712
■資料ダウンロード(以下がひとつのファイルにとりまとめてあります。)
『先週(08/01~08/05)の為替動向』
→ 2011_0805.pdf をダウンロード
◎先週の主要8相場チャート
◎先週限のドル円/ユーロドル日足1年分+時間足3週間分
◎先週の4本値と今週のPivot
◎週間為替リポート保存版PDF
↓ ↓ お役に立ちましたらこちらもよろしくお願いします ↓ ↓ | |||
デマークのチャート分析テクニック―マーケットの転換点を的確につかむ方法 | |||
DVD 外為ディーラーのテクニカル分析 デマーク指標に学ぶ普遍的テクニック | |||
トレーダーズショップ 投資関連書/投資DVD 月間総合ランキング |
8月 13 2011
CFTC IMMポジション(8/9集計-8/12公表分)
8/9 NYクローズ時点集計の米商品先物取引委員会 IMM通貨先物取組(=CFTC IMMポジション) 8/12 NYクローズ後(日本時間 8/13早朝)公表分
「円」ロングは前週比 -25469枚(-32.3%)の減少で 53386枚(前週:78855枚)、「円」ショートは前週比 -8785枚(-43.9%)の減少で 11237枚(前週:20022枚)。この結果、売買比は買越し継続。買越し枚数は前週比 -16684枚(-28.4%)の減少で 42140枚(前週:58833枚)、売買計は前週比 -34254枚(-34.6%)の減少で 64623枚(前週:98877枚)となり、先回集計で異常に伸びたロング枚数・買い越し枚数とも少し落ち着いた数字となりました。
全体売買枚数構成比(MXN除く)では、ロングはIMM全ロング枚数の 20.6%(前週:20.7%)で -0.1%の減少、ショートはIMM全ショート枚数の 7.6%(前週:12.4%)で -4.8%の減少となりました。
レート変化では、前火曜→前金曜終値で77.37円→78.39円と円安、前火曜→今火曜終値では77.37円→77.25円と円高、今火曜→今金曜では 77.25円→76.69円と円高、2週通算の前火曜→今金曜では77.37円→76.69円で円高。という事になりました。
先回集計が出た数時間後、S&Pが米国をAAAからAA+にダウングレードを行い先週週初は大荒れが予想されましたが、極端なパニック売りとはならず、これまでのドル売り円買いが規模を縮小してそのまま継続したという感じにも見えます。今回集計以降の50銭程度のペナント様レンジの方が少し気になりますね。というのは、週初8/15には米国債の大量利払いの必要に迫られ、それが確実に履行されるのかどうかが市場の注目だと思われるからです。
「ユーロ」ロングは前週比 -9284枚(-15.9%)の減少で 49029枚(前週:58313枚)、「ユーロ」ショートは前週比 752枚(1.3%)の増加で 57302枚(前週:56550枚)。この結果、売買比は本年1/11以来30週ぶりに売り越しに転換。売り越し枚数は前週比 10036枚(569.3%)の増加で 8273枚(前週:-1763枚)、売買計は -8532枚(-7.4%)の減少で 106331枚(前週:114863枚)となりました。
全体売買枚数構成比(MXN除く)では、ロングはIMM全ロング枚数の18.9%(前週:15.3%)で 3.6%の増加、ショートはIMM全ショート枚数の38.8%(前週:34.9%)で 3.9%の増加となりました。
レート変位では、前火曜→前金曜終値で 1.4190→1.4278とユーロ高、前火曜→今火曜終値で1.4190→1.4390とユーロ高、今火曜→今金曜では 1.4391→1.4250とユーロ安、2週通算の前火曜→今金曜では 1.4190→1.4250とユーロ高となりました。
レート変化と売買状況を考えると先々週~先週にかけてユーロ安とならなければ辻褄が合わないことになりますが、市場での現在状況はドルから見ての外貨買い大幅減少+ショート継続によるドル高なので、これによる通貨安と見ても良いのではないでしょうか。また先週はスイスフランがユーロペッグ移行するかも知れないとの報道があり、スイスフランを筆頭に欧州通貨全体の売りも進行していますので、こちらからも順当なのかなと思います。
CFTCで扱われる通貨全体(MXN除く)では、ロングが前週比 121215枚(-31.84%)の減少で 259454枚(前週:380669枚)、ショートは前週比 -14301枚(-8.84%)の減少で 147531枚(前週:161832枚)、この結果、売買比は買い越し継続。買い越し枚数は前週比 106914枚(-48.86)の減少で 111923枚(前週:218837枚)。売買計では前週比 -135516枚(-33.30%)の減少で 406985枚(前週:542501枚)となりました。
このロング大量減によるドルから見た対外外貨に対する買い越しの大量減で市場全体ではドル高進行となっている状況ですが、個別に見ると、対豪ドル・対フランでのロング減少が著しく、対円でのショート減少も多いと言った状況で、これらの組み合わせからドル円においては円高進行となっている構造になります。また、対ユーロでは今回30週ぶりに売り越しに転じましたが、対ポンド対フランの買い越し枚数減少も大きいので次回集計時にはこれらが売り越し転じる可能性もあります。
全体売買枚数構成比から言ったロングベスト3は円・ユーロ・ポンド。ショートベスト3はユーロ・ポンド・加ドルとなっております。
■ 資料ダウンロード
『8/9集計-8/12公表のIMMポジション』
→ IMM_20110809.pdf をダウンロード
にほんブログ村
為替・FXランキング
By najirane • IMMポジション • Tags: 米商品先物取引委員会 通貨先物 取組 IMMポジション CFTC CME ドル 投機筋 仮需 実需 円 ユーロ 売り越し 買い越し 円高 円安 日銀 金利 FOMC ADP ISM 雇用統計 欧州 ギリシャ 総選挙 QE3 緩和 緊縮