3月 6 2011
ドル円。方向性は出るのか?(3/6版)
半ばシリーズ化してきたこのエントリーですが、これまでのおさらいを紹介しておきます。
第1回
「ドル円。方向性は出るのか?(2/20版)」
第2回
「ドル円。方向性は出るのか?(2/27版)」
最初にシナリオを4つ書き、最初の絞り込み条件「81.60-75円メドまで落ち込む」事により、シナリオは3つとなりました。
その1は①と③に挟まれた三角持ち合い(ペナント)、その2は①と②に挟まれた上昇チャネル、その3は①を下抜けてしまういわゆる史上最安値攻勢。と言うことになります。
さて、先週木曜日のトリシェ会見によりユーロの利上げがほのめかされ市場が一気にリスクオンとなったことからドル円もその恩恵を受け、①のサポートラインからの上放れを確実な物としましたが、金曜日の雇用統計においてNFPは予想どおりだったものの失業率が8.9%と予想もしていなかった好数字をたたき出し、瞬間値で83.05円まで上伸しました。しかしここで利食い売りと北アフリカ状勢絡みの利食い先取りから急落、約3時間後には82.21円と、日足雲下限に位置し、再度の雲上抜けはかなわない形で引けることとなりました。
さて、今週は先週に比べれば重要指標もなく、3,10,30年債の国債入札3連戦くらいですが、雇用統計を初めとする各指標やユーロ利上げ観測に見られる景気回復感が北アフリカ状勢懸念との綱引きの中でどのくらい力を発揮できるかがポイントになってくると思います。
また、週明け直後での攻防としてはとにかく日足雲(週明け時点で82.35~70円位の範囲)を抜けることが出来るのか出来ないのかですね。この日足雲を抜けると同時に日足ボリン中心線も上抜くことになります。
その後2/16高値 83.96円に並び、反落するならシナリオその1(三角持ち合い)、上抜けて84円台に乗せればシナリオその2(上昇チャネル)と言うことになります。
しかし雲にはね返され、81.60円を割るようなことになれば、シナリオ3(史上最安値突入か?)となる点は変わっていません。
最後にまとめるなら上に行くも下に行くも北アフリカ次第。と言うことになりますね。
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3月 9 2011
ドル円。方向性は出るのか?(3/9版)
まず最初にこれまでのおさらいです。
第1回
「ドル円。方向性は出るのか?(2/20版)」
第2回
「ドル円。方向性は出るのか?(2/27版)」
第3回
「ドル円。方向性は出るのか?(3/6版)」
現在3/8(火)のロンドンフィクスを過ぎた時点ですが、ドル円はとても好ましい方向で上昇しています。これは今日になり好材料に恵まれてきたからなのですが、最初は15時頃に出てきた「OPECが石油増産について討議を始めた」という物でこれにより原油の高騰が緩和される=経済打撃が緩和される。と好感された事により欧州時間から上がり始めました。次に「カダフィが72時間以内に退陣するなら追訴しない」という報道が為されたことにより、リビア内戦の終息が近いと好感されたこと等があります。
3/6版では「米欧の景気回復期待感と北アフリカ状勢懸念の板挟み」という表現をしましたが、それを表しているのがチャートに表示された①と③による三角持ち合い(ペナント)を示しています。下値は米欧景気回復感により切り上げているのだけれど、上値は北アフリカに抑えられているといった状態です。
そしてこれは長引くのであれば、①と④による新たな三角持ち合いに移行するだろうと見ていました。
しかし、今日になり北アフリカ状勢に緩和期待が芽生えてきたことで、①と②による上昇チャネルに乗ってきた模様です。
具体的には今日時点の数字で言うと、82.60円以上で引ければ日足ボリンジャーバンド中心線(21MA)を上抜くこととなり、更にこれが82.65円以上であれば日足の一目均衡表の雲をも上抜くこととなり上昇気配は濃厚となります。
この場合、次の注意点は83.20円あたりで通過するボリンジャーバンド+1σ付近と言うことになります。もっと細かく見た場合は、現在2/16高値と3/2安値間でのフィボナッチ50%戻しの水準ですが、3/4に上抜けなかったフィボナッチ61.8%戻し(83.05円)を上抜けるかどうか、そして76.4%戻し(83.40円)を上抜けるかどうかというところが焦点になってくるかと思います。
以上、簡単ですが予想よりも早く状況が好転してきたので取り急ぎの経過報告でした。
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By najirane • 為替動向と予想 • Tags: ドル円 年初来安値 年初来高値 大転換 レンジ 三角持ち合い チャネル 雇用統計 QE2 QE3 戦後最安値