3月 9 2011
ドル円。方向性は出るのか?(3/9版)
まず最初にこれまでのおさらいです。
第1回
「ドル円。方向性は出るのか?(2/20版)」
第2回
「ドル円。方向性は出るのか?(2/27版)」
第3回
「ドル円。方向性は出るのか?(3/6版)」
現在3/8(火)のロンドンフィクスを過ぎた時点ですが、ドル円はとても好ましい方向で上昇しています。これは今日になり好材料に恵まれてきたからなのですが、最初は15時頃に出てきた「OPECが石油増産について討議を始めた」という物でこれにより原油の高騰が緩和される=経済打撃が緩和される。と好感された事により欧州時間から上がり始めました。次に「カダフィが72時間以内に退陣するなら追訴しない」という報道が為されたことにより、リビア内戦の終息が近いと好感されたこと等があります。
3/6版では「米欧の景気回復期待感と北アフリカ状勢懸念の板挟み」という表現をしましたが、それを表しているのがチャートに表示された①と③による三角持ち合い(ペナント)を示しています。下値は米欧景気回復感により切り上げているのだけれど、上値は北アフリカに抑えられているといった状態です。
そしてこれは長引くのであれば、①と④による新たな三角持ち合いに移行するだろうと見ていました。
しかし、今日になり北アフリカ状勢に緩和期待が芽生えてきたことで、①と②による上昇チャネルに乗ってきた模様です。
具体的には今日時点の数字で言うと、82.60円以上で引ければ日足ボリンジャーバンド中心線(21MA)を上抜くこととなり、更にこれが82.65円以上であれば日足の一目均衡表の雲をも上抜くこととなり上昇気配は濃厚となります。
この場合、次の注意点は83.20円あたりで通過するボリンジャーバンド+1σ付近と言うことになります。もっと細かく見た場合は、現在2/16高値と3/2安値間でのフィボナッチ50%戻しの水準ですが、3/4に上抜けなかったフィボナッチ61.8%戻し(83.05円)を上抜けるかどうか、そして76.4%戻し(83.40円)を上抜けるかどうかというところが焦点になってくるかと思います。
以上、簡単ですが予想よりも早く状況が好転してきたので取り急ぎの経過報告でした。
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6月 5 2011
ドル円。方向性は出るのか?(6/5版)
それでは、今朝ほどTwitterでつぶやいた「何故あの雇用統計で80円を割らなかったのか」をちょっと捻ってみたいと思います。
左は昨年5/3からの1年分日足ですが、3/16,17の戦後最低安値を除けば、幾度となく80.50~80円を基底としているように、まれに80円付近まで差し込まれてもその都度はね返しています。
しかしどう見ても、上値は切り下がってレンジ幅も縮小。ペナントを細長く延長するのも限界でしょう。
そのペナント延長の期限として真っ先に思い浮かぶ材料はやはりQE2終了ではないでしょうか。…なお私がこのように「材料」と表現するのは「ヘッジファンド等の仕掛け筋が材料にするもの」と言う意味です。
次にこちらはここ3週間分の時間足ですが、ご覧のように先々週のGDPや週間失業保険が悪くても、雇用統計先行指標であるADP/ISMそれに週間失業保険が悪くても、薄青のラインを描けるようなものなのに、日本国債格下げ意向ニュースまで出動させて、実際たどったラインは薄オレンジのようなかまぼこ形を形成し、下降モード進行中という形です。しかしここ2,3週間の材料だけでも何か仕組まれている感じがしないでもない以上に、考えてみてやっぱりおかしいのは6/3 21:30に発表された雇用統計。
5月非農業部門雇用者数(前月比)は予想 +16.5万人に対し +5.4万人。5月民間部門雇用者数(前月比)は予想 +17.0万人に対し +8.3万人。そして失業率は予想 8.9%に対して 9.1%。続いて23:00に発表された5月ISM非製造業総合景況指数では予想 54.0に対し 54.6という事で、雇用統計の下落をほぼ全戻しして、NY引けにかけてもう一度雇用統計発表時の下値域まで落下と、逆N字を描きましたが、★この雇用統計の数字は続くISMで全戻しされるほど甘い物だったのか?★再度思い直して下落したとは言え、発表時の急落も週間全イベント終了しての引け値でも80円台を維持できるほど甘い物だったのか?★いくら雇用統計悪化は織り込み済みと言っても、下方修正した予想から更に悪化で80円台維持は甘くないのか?と言う疑問が残ります。
菅内閣不信任案の否決茶番劇と同じような茶番劇がここにも存在しているのではないでしょうか。つまり、ネガティブサプライズ/サプライズを装っての、仕組まれた80円台維持。
多くの市場参加者は「ドル安は既定路線」との基本理解と共に「でも案外そろそろ大反転?」と言う相反したシナリオを抱いているはずです。
そう、ここで「これでも80円台を維持できるなんて、やっぱりドル円は底堅い。」と言うイメージを持たせる事で大反転の可能性を更に臭わせ、ここが底値と思わせてロングを積み増しさせていく。
いつまでも上がらず低迷が続けば「これはQE3催促相場だ!」などと煽って思いとどまらせればよいし、3/16,17の戦後最安値を除けば、現状下値メドは5/5の79.56円。
この80円前後というのはとてもロング建玉には都合の良いレベルだと思いませんか?
そして、80円前後~下がっても79.50円のロング建玉ならストップは79円アンダーと考えれば、その辺りにストップが大きく貯まってから、78.00-50円めがけての大玉を投げればカタが付きますね。
今週は材料が無さそうに見えて6/8深夜のベージュブックや国債入札など、動かそうと思えば動く材料も控えています。さしずめ6/8のベージュブックで79円台を示現したら、「来たな?」と思っても良いでしょう。
あ、その後はもちろん大反転です。(笑)
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By najirane • 為替動向と予想 • Tags: ドル円 年初来安値 年初来高値 大転換 レンジ 三角持ち合い チャネル 雇用統計 QE2 QE3 戦後最安値