連載:その地合判断、正しいですか? (その2)

昨日、「為替相場においては指標がない。」と言うことを書きましたが、
正確には「トレードプランを構築するには不向き」と言いたかったのです。
「通貨インデックス」と呼ばれる物がその指標で、
株価平均を出すにも各種の算出方法があるように「通貨インデックス」にも各種あります。

「トレードプランを構築するには不向き」と考えるに至ったのは
現在用いられている各通貨インデックスは基本的に
ドルストレートにおけるドルの強さ、とか、クロス円における円の強さと言った、
ある単一の通貨の指標であって、各通巻間の相対指標ではない。と言うことです。

さらには、日経通貨インデックスのように、
インデックスを算出する際に貿易収支による加重平均を行うと言った
株屋さんや貿易関連の人には有り難いフィルタかも知れませんが
純粋に為替を考える人にはかえって迷惑なフィルタまでかかっているからです。

と言うのは、貿易収支のような実需を伴う為替の取引高って
実際の為替取引市場では無視できるほどの取引高でしかないからです。
IMF(国際通貨基金)の数字では、全世界の年間貿易取引高は約12兆ドル、
1日うあたりなら330億ドルであるのに対し
BIS(国際決済銀行)の数字による1日の外国為替取引量は3兆2千億ドル。
つまり、日経通貨インデックスという代物は、3兆2千億ドルのことを考えるのに
その中のたった330億ドルを重要視しているわけです。
意味無いですよね。

また、世界でもっとも信頼されているのはFRB(米国連邦準備理事会)の
ドルインデックス(Broad Index)であり、これをユーロや円に書き換えた物ですが、
これとて指標のための指標というか、
前述のように主要通貨(通貨バスケット)における、ある特定通貨指標であって
全員一斉 用意ドン!な相対指標ではないことになってしまうわけです。

ちなみにFRBのドルインデックス (Indexes of the Foreign Exchange Value of the Dollar)
の算出方法をこちらで見つけました。(FRBの公式資料)
興味のある方は御一読頂くのも、また参考になるかと思います。

さて、そこで私の持論というか、それなら私の方法はどうなのだ?
と言うことに関してはまた次回以降で。