分不相応かもしれませんが

 

Twitterでのお話です。以前からもあったはあったけれどここ最近特に目立つのが元プロディーラーやコメンテータ達の各種苦言ツイート。以下イニシャルトークですが判る人は判るはず。

例えばO氏ならストレートに「○○しか出来ないなら去れ!」とか、T氏なら「危険だ/不安だ/○○すべき」とか、N氏なら「○○は無意味、舶来崇拝もいい加減に。」と言った感じ。それはそれでプロとしては正論なのだろうし、彼らから見れば趣味トレーダーか烏合の衆に過ぎない私なぞが言うのも僭越至極な話ではありますが、「多種多様で良いんじゃないですか?」なんですよね。

私は在学中からバイク趣味があり、卒業後はそれが高じてバイク屋務め~辞める頃には安全運転普及指導員とレーサーを含むメカニックを兼務してましたが、そんな経験から『公道とサーキットは要求される技量はおろか観念すらも違うが、共に共通しているのはほんの些細な不注意が命を奪うこともある』ということを教えてきたし自戒としてきました。

プロディーラーは正に世界の強豪を相手にサーキットを転戦するGPレーサーでしょう。その立場から街乗りライダーを見ればお気楽過ぎて呆れたり苛立ったりも解りますし、グループツーリングなんて仲良しクラブにしか見えないでしょう。そんな彼らが喫茶店や峠の休憩所で会話している内容なんて軽薄にして短絡、挙げ句の果てにはオカルト紛い。にしか聞こえないでしょう。

FXでならインジケータやEAと言うことになるでしょうが、何かスペシャルパーツを着けたところでマシン全体のバランスやそれを活かす走りが出来なければ返って性能を落とすことだってあります。でも本人らは得意満面浮かれまくってるんですよね。
そして、どんなにライディングテクニックの講釈ができたところで実際にその理論通り走れてタイムにつながらなければ意味も無いでしょう。

プロの目から見れば皆お遊びに過ぎません。

でもね。皆バイクが好きだし何らかの充実を得たり生活の一部であったり…、そして必然として先に書いたように命を預けてるんですよ。

確かにお金が絡んだ話なので遊びや興味本位では実害が発生します。しかしそれが生業であるのか趣味であるのか、また扱う規模(=投下資本や時間)によって負うリスクも異なってきます。ハイリスクハイリターンが前提でなら一切の甘えも遊びも否定されるべきかと思いますが、ローリスクローリターンが前提ならそこまでストイックな要求は酷ではないかと思います。

ツーリングを例に取れば、本来目的が連帯感であったり景観や旨い物や温泉だったりするわけで、グルーブ走行について行けるだけの運転技術さえあれば、それら目的は果たせます。FXのレベルで言うなら退場するほどの全損を負わない限りは、仲間同士で近況や発見と言った会話も出来るしオフ会なんかも出来るし、むしろその方が主目的…でも良いんじゃないですか?と言うことです。

世界の市場を相手に外人傭兵部隊の兵士よろしく戦ってきたような強者には「お前ら!それじゃ死ぬぞ!」と言いたくなる気持ちは解ります。私自身、客であるライダー諸君に何度「お前みたいな奴はバイクに乗るな!」と言いかけたことか。

プロの厳しい目で見ればアマチュアなんてそんなものなんです。でもそれがまたアマチュアの特権であり趣味の趣味たる所以なんですよ。
あまりにはみ出た奴に対してなら退場勧告も致し方ないことですが、見守りましょうよ。失敗しても這い上がってくることを期待しましょうよ。

汚れた英雄

凄く長い文章の後、更に関係なさそうな話になりますが、大昔のバイク映画に「汚れた英雄」という物があります。元々は全4巻からなる小説を題材に徹底的に省略を極めた作品なので、純粋な映画ファンからの批評はさんざんな物ばかり。
でも、バイクファンから見…ても、確かにはしょりすぎで、私もこの映画を撮った頃のSUGOは知っていますが「うっそ~ん!!」ってな設定が各所にあることも事実ではありますが、難しいその辺は置いといて…自分自身に照らし合わせることが出来たり同じ闘志を燃やすことが出来たり、モチベーションアップには最適な作品だったりします。そしてその映画の中で主人公・北野晶夫がレース中に転倒し病院送りになる鼻っ柱の強い新人ライダーに対して「地獄を見たかい?また戻って来いよ…。」と語るシーンがあるのですが、これこそほとんど全損ロスカットになった新米トレーダーに語るべき台詞でしょう。なんて勝手に思っております。σ(^^; (笑)