2月 15 2010
最悪のシナリオか!?
今日はプレジデンツデーで米国、中国新年で中国とシンガポールが休場と
全く動意にも精彩にも欠ける相場が続いており、唯一動意が期待できるのは、
日本時間 2/16 1:00から始まるEU財務相会議くらいかと思っていたら
本日午前中にとんでもない記事を発見してしまいました。
Goldman’s O’Neill Says ‘Something Brewing’ in China on Currency
ブルームバーグ米国版での記事ですが、ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、
ジム・オニール氏曰く、
「中国が近く、景気過熱を抑制するため人民元を最大5%切り上げる可能性がある」…。
確かに世界市場は人民元の切り上げを希望してはいましたが
それを今日、このタイミングで焚きつけるんですか!? と言う感じですね。
現在、世界の注目はユーロで、
今夜25:00からブリュッセルで開催されるユーロ圏財務相会合で
ギリシャ救済の具体策が示されるのか?
具体案が出なくとも今回どの程度救済に関しての協議が進むか?
しかしそれ以前にギリシャは救済を要求していない。
いっそユーロからの離脱の方がEUにとってもギリシャにとっても良い。
と色々な思惑が交錯している中、
ここで急にくすぶっていたドバイの問題も再燃。
政府系持ち株会社のドバイ・ワールドが220億ドルの債務凍結を要請との報道に
子会社の不動産開発会社「ナヒール」が破綻するので?との観測も出る始末。
さて、何故最悪のシナリオなのかというと、
今般、おそらくEUとしてでなくとも参加国はそれぞれギリシャ支援をする形を取ると思います。
そうなるとEUとしては(ユーロとしては)お荷物を抱えることとなり
PIGS(ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインの頭文字を取った略)4ヶ国の、
※ここ最近ではアイルランドを加えてPIIGSとも。
やはり巨額の赤字に悩む国々の財政状況が懸念され始め、
ユーロ全体の足を引っ張っています。
現在、ドルが若干持ち直しているように見えるのは
ユーロ安の反動でそう見えているだけで
ユーロ安が更に進めば、ユーロ・円を含めたクロスでの円高につられて、
ドル安・円高となるのは火を見るより明らかです。
そしてここに来て人民元の切り上げ。
現在、対中国貿易無くして世界経済はありません。
ここで人民元が切り上げられると、各国貿易収支に大きな変動が起こります。
特に被害を受けるのはペッグ制の相手のドルです。
行く先の見えないユーロ。足下が崩壊しそうなドル。不気味な人民元。
その受け皿になるのは史上希に見る円独歩高となることは
誰もが容易に想像できることではないでしょうか。
EU諸国(英国含め)も、米国もそして中国も
自国時刻の通貨の安定策のためならば間髪入れず何らかの介入を行いますが
現在の民主党政権下の日本がその必要性に気付くのは
おそらく、中華人民共和国 日本特別自治区(もしくは日本省)と
なってしまってからのことでしょう。
もっとも、これが鳩山政権が望んでいる本当の最終目的かも知れませんが。
「東アジア共栄圏構想」…。(言葉を換えれば大東亜共栄圏構想)
2月 16 2010
自律景気回復、ぎりぎりの可能性が出てきた(えっ?)
昨日発表された、10-12月期の国内総生産(GDP)速報値は
物価変動の影響を除いた実質で前期比1.1%増、年率換算4.6%増と言う数字をたたき出し、
市場予想平均の前期比0.9%増、年率換算3.5%増をともに上回る結果となりましたが
それに関する政府首脳の発言を並べてみると面白いですね。
平野官房長官 2/15 午前
「GDPの数字は好転しているが、実体景気動向は依然厳しい」
「2番底にならないようにすることが大事」
菅直人財務相 2/15 午後
「(10-12月期GDPで)二番底懸念は薄らいでいるが油断できない」
「自律景気回復、ぎりぎりの可能性が出てきた」
鳩山由紀夫首相 2/15 午後
「(10-12月期GDPで)外需頼みの部分が強く、楽観は許されない」
「雇用など厳しさはまだ続く」
亀井静香郵政・金融担当相 2/16 午前
「(10-12月期GDPで)経済基調が上向きになったと即断する状況にない」
白川方明日銀総裁 2/16 午前
「市場が混乱すれば、日銀は果敢に行動する」
「今の緩和的状況を粘り強く続けていく」
菅財務相はどこまで脳天気なのでしょうか。
それらしい表現はしていますがほとんど両手放しに喜んでいます。
白川総裁の「ただ淡々と事にあたるのみ」とは偉い違いです。
むしろ亀井郵政金融担当相の発言が最も正しく見えてしまいますね。
核心を突いているのは鳩山首相ですね。
その通り。外需に変化があったら(転落は)あっという間です。
ギリシャ問題とドバイ問題に挟み撃ちのユーロ圏
中国の人民元切り上げの予感
中国vs米国の貿易・思想・その他諸々小競り合い。
ハイチ地震にシーシェパード、イラン、アフガン、北朝鮮…。
世界には日本が手を打とうにも打てないどうしようもない問題だらけです。
それを「自律景気回復の可能性」(菅財務相)とは…。
この人はよほど世界情勢に疎いか家計簿レベルなんでしょうね。
消費性向と乗数効果の違い…以前にその意味も解ってない模様。
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By najirane • FXに関する雑感, ニュース, 経済・政治・国際 • Tags: 菅直人 財務相 亀井 鳩山 白川 平野 10-12月期 国内総生産 GDP 速報値