2月 12 2012
PivotTrade _2
ここからは各種のPivotをお復習いしていきます。歴史的には前後するものもありますが、「機能の拡張」と言った観点でご覧頂ければ関連が無さそうなものも以外とつながってくるものがあるかな?と。
■WilderのPivot
一般的にピボット(PIVOT)と呼ばれるものは、J・W・Wilderによって考案されたテクニカル指標で、前日値幅と終値から当日のサポート(支持)/レジスタンス(抵抗)水準を予測しようという指標です。
計算基準値であるピボットプライス(PP)は、前日高値+前日安値+前日終値の平均値とし、その平均値と高値安値それぞれの乖離から上下の変動幅を求めます。
WilderのPIVOTが単純平均値と加減乗除だけで得られる物に対し、一定の係数や概念を附加することでそれぞれ亜種が存在します。例えば、「Tom Demark」「Woodies」「Camarilla」による物がある他、「Fibonacci Zone」のように転換点を転換レベル幅と考える物もPivotの亜種と考えられますし、BollingerBandは過去のHLCの連続値(=移動平均)からの乖離幅と考えれば、これもPivotの亜種と言っても良いかと思います。
いずれも計算から得られる一定の数値を支持/抵抗の主要なレベル(転換点)と仮定し、価格がこの点に達したとき、それまでの強気/弱気トレンドが変化する可能性が反転もしくは継続(ブレイクアウト)する可能性が高い。と考えることで、建玉や利確(損切り)をする目安とします。
■Wilderによる計算式
・Pivot (P) = (H + L + C) / 3
・Resistance
R1 = (2 X P) ? L
R2 = P + H ? L
R3 = H + 2 X (P – L) = HBOP (High Break Out Point)
・Support
S1 = (2 X P) ? H
S2 = P – H + L
S3 = L – 2 X (H – P) = LBOP (Low Break Out Point)??
■手法としての用い方
R1/R2に価格が到達あるいは接近した時が売りサインとなる。R1を上抜けた場合、R1で建てた売りポジションを手仕舞いしR2で売る。又は手仕舞いせずにR2で売り増しする。
S1/S2に価格が到達あるいは接近した時が買いサインとなる。S1を下抜けた場合、S1で建てた買いポジションを手仕舞いしS2で買う。又は手仕舞いせずにS2で買い増しする。
R3/S3(HBOP/LBOP)に達した場合は新たなトレンド発生と判断する。
Pivotの基本的な使い方がお解りになりましたでしょうか?
次回は今回取り上げたWilder以外のPivotバリエーションを取り上げます。
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2月 14 2012
PivotTrade _3
各種のPivotお復習いの続きです。なお、前回あげたWilderのPivot概念図を少し修正加筆したので最初に再掲しておきます。
■Wilder “以外の” Pivot
Wilder以外のPivotとしてはまず私が信奉するTom DeMark氏のよる物からご紹介したく思いますが、Tom DeMarkによるそれは高値・安値・終値だけでなく、始値も考慮することで値動きの方向(陰線なのか陽線なのか)の参入を試みたものです。
なお厳密には前日の始値でなく前々日の終値という事になっていますが、24時間連続する為替の世界では「窓開け」でもない限りは前々日終値=前日始値になります。
■Demarkによる計算式?
・IF 始値>終値(陰線)の場合
X=(O+H+C)+L とし
Resistance (R)=X/2-L Support (S)=X/2-H
・IF 始値<終値(陽線)の場合
X=(O+H+C)+H とし
R=X/2-L S=X/2-H
・IF 始値=終値(同値)の場合
X=(O+H+C)+C とし
R=X/2-L S=X/2-H
次いでWoodie’sによる計算式では終値を加重評価する考え方を採用しています。
■Woodie’sによる計算式
・Pivot (P) = (H + L + 2 X C) / 4
・Resistance
R1 = (2 X P) ? L
R2 = P + H – L
・Support
S1 = (2 X P) ? H
S2 = P – H + L
またCamarillaによる計算式はNick Scottによる Camarilla equation method と言う考え方により、supportとresistanceを8つのレベルに分け、middle pivot point を置かない考え方となります。
(なおresistanceにあっては数値を上限、supportにあっては数値を下限と考える)?Camarillaのピボットを算出するパラメータは多少不明瞭ですが、「不思議と機能する」ことから採用する人や機関も多いと聞いております。
■Camarillaによる計算式
・Resistance
R4 = (H – L) X 1.1 / 2 + C R3 = (H – L) X 1.1 / 4 + C
R2 = (H – L) X 1.1 / 6 + C R1 = (H – L) X 1.1 / 12 + C
・Support
S1 = C – (H – L) X 1.1 / 12 S2 = C – (H – L) X 1.1 / 6
S3 = C – (H – L) X 1.1 / 4 S4 = C – (H – L) X 1.1 / 2
参考図版(各種Pivotによる差異)
バリエーションは考案者が「この方がハマる」と考えた結果であり、それは考案者のトレードスタイルや対象通貨(もしくは商品や株なども)による”クセ”のようなモノだと思います。よって、どの方法を採用するかは「自分にとってどれがハマるか」という選択基準でよろしいかと思います。
さて、次回は「なじらね流」の真骨頂、Bollinger BandとPivotの関係を取り上げます。
→ 第4回:BollingerBandとの関係へ
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By najirane • 分析・相場観・手法 • Tags: Bollinger, Camarilla, Demark, Fibonacci, Pivot, Wilder, Woodie's, ハーフパイプ, ピボット, フィボナッチ, ボリンジャー, 加速点, 時間論, 転換点, 逆張り, 順張り