2月 14 2012
PivotTrade _3
各種のPivotお復習いの続きです。なお、前回あげたWilderのPivot概念図を少し修正加筆したので最初に再掲しておきます。
■Wilder “以外の” Pivot
Wilder以外のPivotとしてはまず私が信奉するTom DeMark氏のよる物からご紹介したく思いますが、Tom DeMarkによるそれは高値・安値・終値だけでなく、始値も考慮することで値動きの方向(陰線なのか陽線なのか)の参入を試みたものです。
なお厳密には前日の始値でなく前々日の終値という事になっていますが、24時間連続する為替の世界では「窓開け」でもない限りは前々日終値=前日始値になります。
■Demarkによる計算式?
・IF 始値>終値(陰線)の場合
X=(O+H+C)+L とし
Resistance (R)=X/2-L Support (S)=X/2-H
・IF 始値<終値(陽線)の場合
X=(O+H+C)+H とし
R=X/2-L S=X/2-H
・IF 始値=終値(同値)の場合
X=(O+H+C)+C とし
R=X/2-L S=X/2-H
次いでWoodie’sによる計算式では終値を加重評価する考え方を採用しています。
■Woodie’sによる計算式
・Pivot (P) = (H + L + 2 X C) / 4
・Resistance
R1 = (2 X P) ? L
R2 = P + H – L
・Support
S1 = (2 X P) ? H
S2 = P – H + L
またCamarillaによる計算式はNick Scottによる Camarilla equation method と言う考え方により、supportとresistanceを8つのレベルに分け、middle pivot point を置かない考え方となります。
(なおresistanceにあっては数値を上限、supportにあっては数値を下限と考える)?Camarillaのピボットを算出するパラメータは多少不明瞭ですが、「不思議と機能する」ことから採用する人や機関も多いと聞いております。
■Camarillaによる計算式
・Resistance
R4 = (H – L) X 1.1 / 2 + C R3 = (H – L) X 1.1 / 4 + C
R2 = (H – L) X 1.1 / 6 + C R1 = (H – L) X 1.1 / 12 + C
・Support
S1 = C – (H – L) X 1.1 / 12 S2 = C – (H – L) X 1.1 / 6
S3 = C – (H – L) X 1.1 / 4 S4 = C – (H – L) X 1.1 / 2
バリエーションは考案者が「この方がハマる」と考えた結果であり、それは考案者のトレードスタイルや対象通貨(もしくは商品や株なども)による”クセ”のようなモノだと思います。よって、どの方法を採用するかは「自分にとってどれがハマるか」という選択基準でよろしいかと思います。
さて、次回は「なじらね流」の真骨頂、Bollinger BandとPivotの関係を取り上げます。
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3月 18 2012
PivotTrade _4
さて、少し間が空いてしまいましたが、4回目はPIVOTとボリンジャーバンドを関連付けてしまいます。その前にお復習いを見ておいてくださいね。
第1回:PIVOTという概念
第2回:WilderのPivotとその概念図
第3回:Wilder “以外の” Pivot
ボリンジャーバンドはジョン・A・ボリンジャー(John A. Bollinger)により考案されたトレンド系にもオシレータ系にも使えるテクニカル指標で、一般にはオシレータ的に逆張りに用いられることが多く、世の中にもそのように流布されていますが、ボリンジャー本人は順張りに使用するために考案していることが彼の著書「Bollinger on Bollinger Bands」や、「ボリンジャー・バンド入門」にて著述されています。
例えば左のチャートはボリンジャーバンドでは有名なパターンである「1σ-2σ間のバンドウォーク」ですが、上図が「巡航上昇モード」下図は「巡航下降モード」などと表現されてます。
ボリンジャーバンドは1980年代に公開された比較的古典的な手法ですが、平均+誤差の標準偏差という考え方は金融の世界では更に大昔からあり、1970年台に公開されたブラック・ショールズ理論も基本的にはこの考え方です。
ボリンジャーバンドの計算は「 n日の移動平均 +/- n日の標準偏差 × 係数 」を基本とし係数には2が使われる事が多いですが、私は1,2,3の3本派です。
なお、移動平均は、単純移動平均を使うのが基本ですが、単純移動平均以外を使用する場合は標準偏差ではなく移動平均に対する誤差の二乗平均平方根を採用することになります。これは元々、日々の値動きは正規分布ではないと言う事を前提に、尺度として妥当とするために誤差の二乗平均平方根で吸収するためです。
ボリンジャーバンドの利用法としては移動平均からの乖離が
1σに収まる確率=68%
2σに収まる確率=95%
3σに収まる確率=99%
から、終値もしくは大きな変動がそれぞれのバンドを抜くか抑えられるか?を基本とし、抑えられたなら反転、抜いたなら新たなトレンドの生成…。
連載2回目でもちらと書きましたが、PPを移動平均、Resistance/Supportを標準偏差と考えれば、ボリンジャーバンドは言わば移動PIVOTの表現方法のひとつであり、利用方法はPIVOTのそれとまったく同じであることがお解り頂けるかと思います。
つまり「ボリンジャーバンドって逆張り指標だよね」と言う人はPIVOTで言うResistance/Supportで「跳ね返る(転換する)」事に重きを置いている人で、ボリンジャー本人とと同じように「いやいや実は順張り指標だよ」と言う人はResistance/Supportを抜ければ「新たなトレンドが発生する(加速する)」事に重きを置いている人。という事になります。
と言う事で、今回は目からウロコのボリンジャーバンド活用法でした。
連載4回で「なじらね流 Pivot_Trade」を書いてきましたが如何だったでしょうか?
最後に冒頭でもあげたPivotの本質を再掲し本連載を締めくくりたいと思います。
「Pivotとは転換点であり同時に加速点ともなり得る」
ご清聴ありがとうございました。
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By najirane • 分析・相場観・手法 • Tags: Bollinger, Camarilla, Demark, Fibonacci, Pivot, TRADE, Wilder, Woodie's, ハーフパイプ, ピボット, フィボナッチ, ボリンジャー, 一目, 加速点, 時間論, 転換点, 逆張り, 順張り