3月 6 2011
CFTC IMMポジション(3/1集計-3/5公表分)
3/1 NYクローズ時点集計の米商品先物取引委員会(CFTC) IMM通貨先物取組(IMMポジション)が日本時間3/5朝、公表されました。
「円」 ロングは前週比 166.0%の増加で 62396枚(前週:23457枚)、「円」ショートは前週比 -58.7%の減少で 21122枚(前週:51203枚)。この結果、売買比は再度買越しに一転、買越し枚数は前週比 248.8%の増加となり 41274枚(前週:-27746枚)、売買計は前週比 11.9%の増加で 83518枚(前週:74660枚)となりました。
レート変位では、前火曜→前金曜終値で83.73円→81.67円と円高、前金曜→今火曜終値では81.67円→81.91円と円安、今火曜→今金曜では 81.91円 →82.32円と円安、2週通算の前火曜→今金曜では83.73円→82.32円で円高と、前々週・前週の円高傾向から若干戻しかけたような状況となっています。
先週、IMMポジションとレートの不整合、また、例年なら年度末リパトリ絡みの円安傾向になって良さそうな物が円高攻勢となるのは、売り方の締め上げ(ショートスクィーズ)が起こったと見るのが正解なのではないかと書きましたが、後日発見ではありますがREUTERSに同じような見方をした記事がありました。
そこで投機筋(仮需)だけでなく実需筋の数字も見直してみたらやはり思った通りでした。前々週・前週には普段IMMポジションとして掲載している投機筋の数字は確かに売り越しに転換するだけの売買逆転がありましたが、同時に実需筋でも売買の逆転があり、両社を合計してみた結果むしろ売り越しの増加となっていて、これらなレート変動に対し十分に辻褄がつきます。REUTERS記事の表現のように実需の本来の動きに合わせた当時筋のショートスクィーズであったということですね。
ともあれ、前2週のかき回しを経て先週は本来のポジション状況に戻ったように見えますが、未だしこり玉や仕掛けもあるようにも見えますので北アフリカ状勢やユーロ金利上げ観測等と合わせ、状況注視です。
「ユーロ」ロングは前週比 7.3%の増加で 83104枚(前週:77454枚)、「ユーロ」ショートは前週比 -0.2%の増加で 31796枚(前週:31856枚)、この結果、売買比は買い越し継続。買い越し枚数は前週比 12.5%の増加で 51308枚(前週:45598枚)、売買計は 5.1%の増加で 114900枚(前週:109310枚)と、買い優勢傾向継続中といった状況となりました。
レート変位では、前火曜→前金曜終値では1.3653→1.3750とユーロ高、前金曜→今火曜終値では1.3750→1.3777とユーロ高、今火曜→今金曜では 1.3777→1.3987とユーロ高、2週通算の前火曜→今金曜では 1.3653→1.3980とユーロ高となっており、こちらもポジションに沿った形で上伸継続中です。
ただチャート的には1.40台を上抜いた後1.42が近くなると押し目なのか、昨年10月後半と高値並びしWトップとなるのかといった攻防も予想されますが、つい先日トリシェ総裁からも利上げ観測をほのめかす発言がありましたのでどちらかと言えば強気な状況といえるのではないでしょうか。
CFTCで扱われる通貨全体(MXN除く)では、ロングが前週比 20.11%の増加で 400929枚(前週:333809枚)、ショートは前週比 -10.16%の減少で 112430枚(前週:125144枚)、この結果、売買比は買い越し継続。買い越し枚数は前週比 38.26%の増加で 288499枚(前週:208665枚)、売買計では前週比 10.60%の増加で 513359枚(前週:458953枚)と、売買の拡大傾向が見られます。
個別に見ると前週は対円以外はすべて買い越しでしたが先週は全て買い越しに戻り、対円では売買比逆転。ユーロ及び地震被害のNZドルは意外と静か、ポンドの売りが目立ち、スイスフランは売買とも盛ん。といった状況です。
売買比では特に突出したものはありませんが、対ユーロのロング増・対ポンドのロング減が好対照となり、売買計でも対ユーロで売買増、対ポンドで売買減となっております。
いっこうに収束が想定できないリビア及び北アフリカ状勢が注目の的ですが、原油産輸出に関しては最悪な事態を免れそうな状況でもあり、原油価格の今後に関しては当初危惧された暴騰というよりかは高騰継続と少し引けてきた観がありますが、まだまだ予断は出来ないという思惑の現れが、円買いやスイスフラン買いとなって如実に現れている気もします。
また前述しましたが、ユーロの利上げ観測や米国失業率の8%台への低下という景気回復要因も今後どのように展開するか注視する必要がありますね。
■ 資料ダウンロード
『3/1集計-3/5公表のIMMポジション』
→ IMM_20110301.pdf をダウンロード
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3月 6 2011
先週(2/28~3/4)の為替動向
先週の各主要相場は下記のような流れでした。
■米国株式市場 = もみ合い(上昇基調)
■原油先物市場 = 上昇
■NY金先物市場 = もみ合い(上昇基調)
■ドル円 = もみ合い(上昇基調)
■ユーロドル = 上昇
■ユーロ円 = もみ合い(上昇基調)
【週前半】先週の東京スタートは81.70円付近。月末特有の実需売買は交錯すれど小動きに止まる。
火曜日、日本株の堅調により、82.20円台までじり高。NY時間に入り2年債利回りが急落、82円を割り込むが、ISM製造業指数が好感され82.20円台まで再反発、しかし同時に行われたバーナンキ議会証言やイランでのデモ発生報道から81.80円台まで下落。
【週中盤】動意薄く81.80-90円前後のナローレンジ。
米2月ADP全米雇用報告が予想を上回ると82.10円銭前後まで上ヒゲを伸ばすが、ドルスイスでスイスフランが史上最高値を付けるとシーソーでドル売り・円買い圧力が強まり81.50円台まで急落。
【週後半】東京時間は81.80円前後で凪相場。
NY時間、米失業保険新規請求件数が予想外の改善、米国債利回りが上昇すると82.30円台まで上昇。ISM非製造業指数が後押しとなり82.50円台まで続伸。
金曜日、欧州時間中盤から雇用統計迎え待ちから82円70銭台まで上昇。注目の米2月雇用統計はNFPは予想通りだったものの、失業率は8.9%と躍進、一瞬83円台タッチするも、北アフリカ情勢への懸念から原油上昇/ダウ・米国債利回り下落、82.20円台まで急落。引け後、82.30円台へと若干戻した形で1週間を終わる。
■先週のポイント
・景気回復気配と北アフリカ状勢の板挟み
■今週のポイント
・3/8:3年債、3/9:10年債、3/10:30年債各入札
・3/11:ミシガン大学消費者景気信頼感指数・速報
・景気回復気配と北アフリカ状勢の板挟み
・円と同様に避難先通貨であるスイスフランの動向
■週足デマーク指標/フィボナッチゾーン
(Demark Range Projection / Fibonacci Zone)
TD Range Projection
USD/JPY Lower: 82.00 / Upper: 82.72
EUR/JPY Lower:113.67 / Upper:114.95
EUR/USD Lower:1.3868 / Upper:1.4079
GBP/JPY Lower:132.76 / Upper:135.27
GBP/USD Lower:1.6190 / Upper:1.6403
Fibonacci Zone USD/JPY
R2 82.65 ~ 82.81 / R1 82.44 ~ 82.49
S1 81.97 ~ 82.02 / S2 81.65 ~ 81.81
Fibonacci Zone EUR/USD
R2 1.4040 ~ 1.4081 / R1 1.3987 ~ 1.3999
S1 1.3867 ~ 1.3880 / S2 1.3785 ~ 1.3826
■資料ダウンロード(以下がひとつのファイルにとりまとめてあります。)
『先週(02/28~03/04)の為替動向』
→ 2011_0304.pdf をダウンロード
◎先週の主要8相場チャート
◎先週限のドル円/ユーロドル日足1年分
◎先週の4本値と今週のPivot
◎週間為替リポート保存版PDF
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By najirane • 為替動向と予想 • Tags: デマーク指標 Demark Range Projection Fibonacci Zone ユーロドル ドル円 クロス円 原油 為替 株式 米国 指標 ダウ 介入 日銀 金融緩和 FRB ECB QE2 QE3 FOMC バーナンキ 出口戦略 ギリシャ イタリア スペイン 緊縮財政 雇用統計