5月 16 2010
続・IMMポジション
おそらく国内で最も目にされるIMMポジションのグラフとその数値は外為どっとコムの物かと思われます。
※左図は外為どっとコム-IMMポジションより
ただ、先回も書きましたがIMMポジション数値は火曜日、参考為替レートは金曜日。では、モノサシが違うのではないでしょうか?
左図はIMMポジションと参考レートを、IMMポジションに関してはそのまま(nonCommercialのLong/Short/売り越し)、
為替レートは火曜日終値/火曜日で締めた当該週ピボット値 及び、金曜日終値/金曜日で締めた当該週Pivot値でそれぞれ線グラフを載せて描いてみた物です。
通常皆さんは左図の折れ線グラフでは赤い線(金曜終値)を見ています。
でも、これを火曜日(青い線)にするだけで、Pivot値(緑の線)にするだけで、かなり印象が違ってきませんか?
終値とPivot値(HLCC/4)ではほぼ似たような物ですが、その数値を火曜で取るのと金曜で取るのとではここ4週分に至ってはほぼ逆転しているような状態です。
この逆転はすなわち、火曜日締めのIMMポジションが消化されたのか/積み増しされたのかの判断材料になるのではないでしょうか。
更にこちらはIMMポジションはそのまま売り越しのみを表示、為替レートは日次のPivot値を折れ線にしてみた物です。
このグラフだと、先々週(5/4締め)に2007年7月以降での最高値に積み増されたショートポジションがあったからこその5/6の暴落。と言ったような雰囲気が見えてきますよね。
IMMポジションに関しては、判断材料に有効とする人も「見てもショーガナイ」とまで言い切る人(※もっとも、私はこの人を全く信用していませんが)もいます。
しかしどんな道具も「馬鹿と鋏は使いよう」ですし、その数字が直接どうのこうのするわけではなく「その数字が出来た背景は何か?」と考える方が正解。と思っています。
つまり盲信は間違いだけど、さも解ったように切って捨てるのはもっと間違いなのではないでしょうか。
世の中、持論や自身に自信がない人に限って「あんな物、そんな物」とライバルを切って捨てますが、私は「あんな物、そんな物」を言い出す人間の論こそ「あんな物、そんな物」だと思っています。
前述の「見てもショーガナイ」を言った人は誰でも知っている高名なFX指南者ですが、以前から胡散臭いと思っていた氏を「やっぱりね」と確信させたのは「IMMポジション=見てもショーガナイ」発言でした。
IMMポジションは経済指標のひとつですが、テクニカルに見る物ではなく、ファンダメンダルズ的に見る物だと思えば、けしてそのような評価はしないと思うのですが、それが出来ないようなら「その程度の人」なんでしょうね。
ところで、5月11日付けIMMポジションでは売り越し状態は変わらずですが、円Longが87.2%も増加し、円Shortは25.8%減少しています。
そろそろ買い越し状態への転換(円高ドル安)なのか、暴落後の調整なのか、ちょっと面白い状態ですね。
10月 24 2010
CFTC IMMポジション(10/23公表分)
日本時間 10/23午前に、10/19 NYクローズ時点で集計のCFTC IMMポジションが公表されました。
「円」 は、ロングが前週比 -5.9%の減少で 62554枚(前週:66463枚)、ショートは前週比 -8.1%の減少で 16698枚(前週:18178枚)、売買とも減少した結果、買い越しは前週比 -5.0%の減少となり 45856枚(前週:48285枚)へ減少しました。
QE2の実施観測、G20を控えての模様眺め、そして何よりも11月2,3,4日の米国中間選挙,FOMC開催と、基本はドル安ながらポジション調整や模様眺めが続くかと思われていましたが、10/19夕刻に突然、中国が0.25%の利上げを実施。一時81.91円まで上伸しましたが、NYクローズ時点では 81.56円まで押され、ここまでが今回のIMMポジションの数字となった訳です。
ところがその後は既定のドル安路線が再燃し、翌日のNY開始直後に「次回FOMCで5000億ドル程度の国債買い入れを決定」と言う情報が流れると、猛烈な売り攻勢から、一時80.84円と15年来安値を新値更新しましたが、
明けて10/20の東京時間、安値攻勢が80.98円を付けた瞬間、米WSJが報じたガイトナー財務長官記事をきっかけとし81.81円まで瞬間沸騰、しかしこれは本人の弁ではないと81.08円まで瞬間冷却の壮絶な行って来いとなり、その後はドル安路線を既定とするポジション調整に戻りましたが、火曜日水曜日を挟んでの週間最高値域/安値域を行って来いは次回のIMMポジションにどのような変化となって現れるか、興味深い物があります。
続いて「ユーロ」は、ロングが前週比 8.9%の増加で 74855枚(前週:68718枚)、ショートは前週比 3.3%の増加で 28107枚(前週:27207枚)、売買とも増加の結果、買い越しは前週比 12.6%の増加で 46748枚(前週:41511枚)となりました。
これは前週末のバーナンキ発言から盛り上がったユーロ高が、前段に書いた中国の利上げから急速な持ち高調整が行われた事も数字に影響していると思われますが、こちらも売買比・買い越し枚数とも年間最大級の水準のまま、米国QE2、中間選挙、FOMC待ちのポジション調整が行われている。と見て良いように思えます。
レートから見ると、10/15(金)のバーナンキ議長講演~米国指標発表時に1.4157の10ヶ月ぶり高値更新がありましたが、中国利上げの影響から、10/20朝には 1.3697の週間最安値まで下落と、大きな変動がありましたが、週末には1.3979円で引ける。と言ったように、ユーロ高は未だ健在と見て良いように思います。
CFTCで扱われる通貨全体では、ユーロで買い越しが進んだ以外はいずれも買い越しが減少傾向にあり、全体では前週比 12.6%の買い越し枚数減少になっています。
特に、スイスフランの買い越し減少が目立ちますが、次いでカナダドル、英国ポンド、豪ドル、NZドル、円が追いかけるといった形で、いずれも減少傾向にあり、ユーロ1本に絞ったのか全体傾向としてのドル高への復帰(反転)なのか、今後も目を離せません。
■ 資料ダウンロード
『10/23公表のIMMポジション』→ IMM_20101019.pdf をダウンロード
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By najirane • IMMポジション • Tags: CFTC, CME, IMMポジション, ガイトナー, ドル, ユーロ, 中国, 介入, 円, 円安, 円高, 利上げ, 売り越し, 日銀, 最安値, 買い越し